1 摘蕾
柿は発芽から開花までの期間は、ほとんど前年の貯蔵養分で生長します。摘蕾で初期生育
を促しましょう。
摘蕾の時期は、蕾の善し悪しが判断できる開花15日前頃からです。長大な枝で3蕾、中庸
な枝で2蕾、弱い枝で0~1蕾残します。
枝の基部から2~4番目の花が大きな実になります。上向き蕾、小さい蕾、遅れ花を中心に
取り除きます。
2 かん水
5月~6月上旬に乾燥すると、新梢の伸びが悪くなったり、結実不安定の原因となります。
晴天が続く場合は、5~7日間隔で20mm程度のかん水を行いましょう。
3 病害虫防除
炭そ病、うどんこ病、灰色かび病等の発生時期です。また、落葉病は秋に発病しますが、
感染期は5月~7月です。
薬剤防除は、容器に記載された使用基準を守り、朝夕の涼しい時間帯に散布しましょう。
・炭そ病は軟らかい枝に発生します。被害枝は次の発生源となるので、園地から持ち出
しましょう。前年被害の多く発生した園地は、特に注意しましょう。
・チャノキイロアザミウマは、開花期頃から柿への飛来が多くなります。収穫期まで加
害するので、初期防除が大切です。
1 排水
梅雨に備え、排水溝を整備しましょう。
2 施肥
年間施肥量の20%を6月に施用します。
成木10アールあたりの施肥量は、窒素成分で4キログラムが目安です。
新梢の発生が旺盛な場合は、施肥量を控えましょう。
3 病害虫防除
(1)カキノヘタムシガ
7月や8月下旬に果実のヘタ周辺でカキノヘタムシガ幼虫がふ化し、加害すると
落果します。
成虫の発生時期と果実での被害時期が異なるので、防除時期に注意してください。
年2回の発生があり、防除時期は6月上旬と8月上旬です。
(2)フジコナカイガラムシ
果実のヘタの隙間などに白い虫が見られ、べたべたした排泄物にすす病が発生
します。
白い部分はろう物質で、薬剤をはじきます。ろう物質が付着していない小さな
幼虫に対して薬剤散布を行いましょう。防除適期の目安は6月下旬です。
(3)カメムシ類
カメムシ類の飛来を発見したら、早急に防除を行いましょう。カメムシ類の飛
来が多い朝夕の防除効果が高くなります。カメムシ類は移動範囲が広いため、
地域での一斉防除が望ましいです。
(4)炭そ病、落葉病
先月に引き続き、炭そ病や落葉病の防除時期です。どちらも降雨により伝染す
るので、この時期の薬剤防除は重要です。
農薬の使用にあたっては、容器に記載された使用基準を守り、周辺作物への飛
散に十分注意するとともに、使用後の散布器具は洗浄を徹底してください。
1 摘果
生理落果後に1結果枝あたり1果、1果あたりの葉数15~20枚を目安に摘果します。
着葉数5枚以下の結果枝は全て摘果します。
下向き又は横向き、大きめでがくを持ち、形状の良い無傷の果実を残します。残す
果実を決めたら、その他の果実を取り除きます。
2 除草、かん水
雑草が繁茂すると、柿樹との間に水分競合が起こります。梅雨明け前に草刈りを行
いましょう。
梅雨明け後の乾燥は樹体への影響が大きいので、乾燥が続く場合はかん水を行いま
しょう。
3 病害虫防除
炭そ病、落葉病、うどんこ病等の感染時期です。薬剤防除だけでなく、風通しをよ
くするなど予防対策も行いましょう。
カメムシ類やイラガも発生します。虫の被害が比較的まとまって見られるので、園
地をこまめに見回りましょう。
カメムシ類の飛来が多い場合には、残効の長い農薬を使用しましょう。
薬剤防除は、容器に記載された使用基準を守り、朝夕の涼しい時間帯に散布しま
しょう。