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台風6号の接近に伴う農作物等の管理対策

阿南農業支援センター
阿南農業指導班

現在、台風6号が四国に接近する可能性があり、今後の進路によっては強風や大雨による農作物等への影響が懸念されるところです。
農作物等の管理にあたっては、次の対策を参考にしてください。

※ 大雨中は、非常に危険なので、用排水路には近づかないでください。

共通事項

  1. 事故防止の観点から、ほ場の見回り等については、気象情報を十分に確認し、台風通過後も十分注意して行ってください。
  2. 台風通過後に、薬剤を使用する際には、農薬の使用基準を遵守し、周辺への飛散低減対策をはかるとともに、適時適切な散布を行ってください。
  3. 暑熱環境下で作業を行う場合は、熱中症対策として、高温下での長時間作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛けてください。 特に高齢者は、のどの乾きや暑さを感じにくく、知らず知らずのうちに熱中症にかかりやすいことから、単独作業にならないよう注意してください。

水稲

事前対策

  1. ハナエチゼン等、成熟期に達しているものは、すみやかに刈り取りましょう。
  2. 刈り取りが終了している場合は、稲わらが流出しないよう、すき込みましょう。
  3. 排水路、排水口の整備を行い、長時間冠水しないように努めましょう。

事後対策

  1. 冠水した水田では、すみやかに排水に努めるとともに、流れ込んだゴミ、木片などがコンバインの刈り取り作業に支障のないように除去しましょう。
  2. いもち病、白葉枯病などが発生する場合があるので、適切に防除しましょう。
  3. 倒伏すると穂発芽しやすい状態になるため、早く刈り取りましょう。水分の多い籾は急激に乾燥すると品質が低下するので、ゆっくり乾燥してください。

野菜

事前対策

・施設栽培

  1. ハウス栽培では、取付金具の締め直しやハウスバンドの固定、側杭の補強を行うとともに、防風ネットなどを点検しましょう。
  2. ハウス周辺に排水溝を設けておきましょう。

・露地野菜

  1. ブロッコリー、レタス、いちご等の育苗中のものは、寒冷紗等でべたがけ被覆しましょう。いちごは炭そ病の予防散布も行いましょう。
  2. オクラ、果菜類等はマイカー線や支柱、防風ネット等を補強しましょう。
  3. 冠水や浸水のおそれのあるほ場は、溝切りや排水溝の清掃をしておきましょう。

事後対策

  1. 浸水や冠水したほ場は、早急に排水に努めましょう。
  2. べたがけ資材で被覆していたほ場は、速やかにべたがけ資材を除去しましょう。
  3. 風雨による土の跳ね上げや冠水による汚れが見られる場合は、薬剤散布を兼ねて水洗し、病害の発生を防ぎましょう。
  4. 果菜類は、風雨害による傷葉、果実を除くとともに、なるべく早く各作物の防除基準に基づいて、適切に病害の予防散布を行いましょう。
  5. 株元が露出したり、降雨により土壌が締まっていたら、天候の回復を待って、株元へ土寄せするとともに、畦全体を軽く中耕して通気性を良くしましょう。
  6. 草勢の回復を図る場合は、薄い液肥の株元施用や葉面散布を行いましょう。
  7. 施設栽培では、風が弱まった時点で速やかに換気を行い、天候回復後の高温障害の発生を回避しましょう。

果樹

事前対策

  1. 豪雨時に速やかに排水できるよう、排水溝の整備や清掃を行いましょう。
  2. 風が当たりやすい園地は、防風ネット等を設置して風による損傷を軽減しましょう。 広い園地は、園内を区切って防風ネット等を設置しましょう。
  3. 幼木等の倒伏しやすい樹は、支柱を立てて固定し、倒伏を防止しましょう。
  4. 被覆しているハウスは、取付金具の締め直しやハウスバンドの固定、側杭の補強を行いましょう。
  5. ビニールが除去できるハウスや防虫ネット等は、程度に応じて巻き上げて紐で束ねるか、予め除去しましょう。
  6. ビニール被覆しているハウスは、強風時には密閉し、換気扇を作動させましょう。

事後対策

  1. 溝切りや排水溝の清掃を行い、速やかな排水と土壌乾燥に努めましょう。
  2. 落果、生傷果、腐敗果は摘果し、園外へ出しましょう。
  3. 枝が折れた場合は、切り直して癒合促進剤を塗布しましょう。太い枝の分かれ目が裂け部は、縄などで縛り癒合を促進しましょう。
  4. 倒木樹は、立て直して支柱等に固定し、土寄せしましょう。
  5. 冠水した温州みかん、不知火(デコポン)の果実は、清水で洗い流した後、防除基準に基づいて褐色腐敗病の防除を行いましょう。
  6. カンキツ類の黒点病、かいよう病、温州みかん、不知火(デコポン)等の褐色腐敗病は、風雨によって感染するので防除基準に基づいて適宜防除しましょう。

花き

事前対策

  1. ほ場の排水対策を行い、冠水、湿害の発生を回避しましょう。
  2. 露地花きはネット等の支柱を増強し、倒伏を防ぐとともに、必要に応じて周囲に防風ネット等を張り、風による損傷を軽減しましょう。
  3. 鉢育苗中の苗等は室内に取り入れたり、ネットをかけるなどして鉢の飛散や茎葉の損傷を防ぎましょう。 洋ランの山上げ場では鉢が棚から転落しないように固定するよう努めましょう。
  4. 施設栽培では、ハウスバンドの締め直し、側杭の補強などハウスの点検・補強を行い、強風時にはハウスを密閉し、換気扇を作動させましょう。

事後対策

  1. 冠水したほ場は速やかに排水し、中耕を行って湿害による根の痛みを抑えましょう。
  2. 露地花きで倒伏したものは、茎曲がりを防ぐために速やかに株元から起こしましょう。 また、折れ枝等は整理しましょう。
  3. 生育中の花き類で、風雨による土の跳ね上げや冠水による汚れがみられる場合は、茎葉に付着した泥は水で洗い流しましょう。 また、各作目の防除基準に基づいて適正に薬剤散布を行いましょう。
  4. 防風対策で室内に取り入れた苗等は、台風通過後早めに戻し、防風対策でべたがけしたネット等も除去しましょう。
  5. 転倒・転落した鉢は速やかに復旧手当を行ったのち、病害防除のため、薬剤散布を行いましょう。
  6. 施設栽培では、風が弱まった時点で速やかに換気を行い、天候回復後の高温障害の発生を回避しましょう。
  7. 長時間の冠水や多湿、強風雨等の影響で、根傷みの兆候がみられる場合は、適期に液肥の葉面散布を行いましょう。

畜産

事前対策

  1. 畜舎、屋根、カーテン、などを点検し、家畜に被害がないようにしましょう。トタンなど風で大きな音を出す場合、家畜に不安感を与えるので早めに修理しましょう。
  2. 飼料庫、堆肥舎などを点検し、風雨により飼料や堆肥などが濡れたり流出しないようシートで覆いましょう。
  3. 浸水の恐れのあるほ場内のラップサイレージは早めに移動しておきましょう。

事後対策

  1. 畜舎内への浸水が発生し、病気の発症等が疑われる時は直ちに診療を受けましょう。
  2. 畜舎や堆肥舎等が破損した場合、早急に補修を行いましょう。

参考資料