1.病害虫防除
(1)そうか病
そうか病は、枝や旧葉から若葉へ更に果実へ、また雨で菌が伝染します。(若木に出やすい)
発芽期~新梢伸長期に雨が多いと発病が多くなります。
発芽初期の新梢5~10mmの頃までに防除しておきましょう。
発芽初期に散布できない場合は新梢伸長期に防除してください。
(2)訪花昆虫(コアオハナムグリ、ケシキスイ類,アブラムシ類、チャノキイロアザミウマ)
開花初期から満開の間に2~3回程度午前中に防除します。
(3)灰色かび病・黒点病
満開期~落弁期に花弁をふるい落とした後に防除します。
黒点病は降雨の前に散布します。
なお、黒点病の伝染源は枯枝です。
枯れ枝を園外に持ち出し焼却しておくなどの病原を除去すると防除効果が更に高くなります。
(4)ミカンサビダニ
成虫は芽の間隙で越冬し、春発芽とともに新葉に産卵します。(多発要因:春の気温が高い、夏の降水量が少ない、秋期が高温で経過)
(5)マルカイガラムシ類
雄の成虫は飛び、樹幹に多く寄生しています。(年に3世代、幹や枝で越冬します。)
5月下旬から6月初旬までに、幼虫の第1世代を防除します。
2.除草
養分競合を防止するため、除草を行いましょう。
〔黒点病防除〕
○病原菌は枯れ枝上で繁殖し、雨滴によって飛散します。
○梅雨期間中は重点的に防除します。
○ポイントは降雨前(積算降雨量200mm以上または1ヶ月間隔が目安)に防除を行うことです。
〔施 肥〕
○6月下旬に窒素成分量で10a当たり10.5kgの施肥を行います。
〔乾燥防止対策〕
梅雨明けの急激な乾燥は、葉の萎凋による光合成の低下を招き、果実肥大を抑制させることなどから、7~8月の高温乾燥期に樹冠下に敷き草やかん水を行い、乾燥防止に努めます(乾燥が長く続くようであれば、7日おきにかん水します)。
7月は 第二次生理落果期に入り、夏芽が伸長します。
1.排水対策
梅雨時期は停滞水に注意し、排水に努めてください。
2.摘果
80葉に1果を標準として、樹勢に応じて調整してください。
7月上旬には完了するようにしてください。
3.かん水
乾燥が長く続けば7日おきにかん水してください。
1回のかん水量は10アール当たり20トン以上としてください。
4.草刈りまたは除草剤の散布
5.病害虫防除
黒点病、ミカンサビダニ、ミカンハダニの防除をしましょう。ダニ類が毎年多く発生する園では、梅雨明け直後に予防防除しましょう。
青玉出荷を予定している園では、使用する農薬の安全使用基準を確認して散布してください。
1.かん水
先月に引続き晴天が続き土壌が乾燥すれば潅水しましょう。
1週間以上降雨がないときは、10a当り20t(20mm)を目安に潅水しましょう。
2.青玉の収穫出荷
農協の出荷基準に従い出荷しましょう。 (農薬防除履歴を慎重にチェックし、農薬安全使用基準に適合した果実を出荷しましょう。
3.トゲ傷対策
果実周辺のトゲを除去しましょう。
4.カルシウム成分の補給
8月上旬~9月下旬の間にカルシウム剤を3回散布しましょう。
5.日焼け果、貯蔵性こはん症対策
長期貯蔵の場合は、品質向上のため化織布で果実を被覆しましょう。
6.病害虫防除
(1)黒点病
基本的には降雨が200~250mmあるごとに薬剤防除します。長雨になりそうな場合は、小雨の時や露が残っていても防除した方が予防効果があります。
(2)ミカンハダニ
発生を見たら薬剤防除を行いましょう。
(3)カミキリムシ
朝早く園を回り、動きの鈍いときの捕殺に努めましょう。
1 秋肥施用
9月中旬に窒素成分量で10a当たり10.5kgの施肥を行います。
結果量の多い園は施肥量を増やし、樹勢を維持しましょう。
2 病害虫防除
防除は農薬使用前にラベル表示事項を必ず読み、使用基準(濃度、使用時期、使用回数等)を確認し、基準を厳守して防除しましょう。
(1)黒点病
基本的には降雨が200~250mmあるごとに薬剤防除します。長雨になりそうな場合は小雨の時や露が残っていても防除した方が予防効果があります。
(2)ミカンハダニ
発生を見たら薬剤防除を行いましょう。
3 その他管理
果皮の充実強化のため、8月上旬~9月下旬の間にカルシウム剤を3回散布しましょう。
〔病害虫防除〕
○収穫前に貯蔵病害(青かび病、緑かび病)の防除をします。
〔施 肥〕
○収穫前に窒素成分量で10a当たり7.0kgの施肥を行います(礼肥)。
〔収 穫〕
○取り遅れないよう3~7分着色までに収穫を終了します。
〔貯 蔵〕
○冬至用として短期貯蔵する場合、腐敗防止のため3%の予措を行い、貯蔵します。
○長期貯蔵する場合は5%以上の予措を行います。
【1】果実の収穫
収穫は、傷つけないように2度切りし、丁寧に取り扱いましょう(雨、露を避けましょう)。
【2】長期貯蔵技術マニュアル
(1)貯蔵用果実の形態(浮皮がなく硬くて、こはん症のない果実を選びましょう)
果実重量が120g前後のものを選びましょう。
1.常温予措する場合は4分から7分着色果を10月中旬~11月中旬に収穫しましょう。
2.高温予措する場合は4分以上着色果を10月下旬~11月上旬に収穫しましょう。
(注意)上記規格外果実は冬至用として短期貯蔵しましょう。
(予措方法は長期貯蔵果実の予措方法と同じで予措率3%にしましょう)
高温予措する果実は収穫後直ちに予措機に入れましょう。
(2)予措方法
1.常温予措(5%以上)は、風通しの良いところで2段並べて行いましょう。
2.高温予措(6~8%)は、高温予措機を室温30℃、湿度50~60%にセットし、3日間行いましょう。
高温予措終了後は、1晩外気温に馴らした後、貯蔵庫に入れましょう。
(3)貯蔵温度
庫内温度は年内は5℃、年明け後は3℃にしましょう。
(4)貯蔵湿度
庫内湿度は80~85%にしましょう(湿度が高いと水腐れ症の発生が多い)。
1.収穫後の栽培管理
(1)樹の寒害防止のため、収穫が終わり次第、日陰の園地や風当りの強い園では、寒冷紗かコモをかけます。
(2)この時期に、越冬害虫(カイガラムシ類、ミカンハダニ)防除をしましょう。
マシン油の防除については、冬期散布の場合は好天の続く時に使用してください。
寒害を受けるおそれがある場合は、3月まで防除を延ばしてください。
2.貯蔵
(1)冷房貯蔵庫の温度は、年内は5℃、年明け後は3℃とし、果実に直接冷風を当てないようにしましょう。
(2)湿度は、80~85%としてください。湿度が高いと水腐れ症の発生が多くなります。
1.貯蔵管理
(1)年明け後の貯蔵庫内温度は3℃とし、湿度は80~85%に保つようにしましょう。
(2)定期的に貯蔵庫内の換気を行うとともに、果実を点検し、腐敗果は早く取り除きましょう。
(3)へた枯れ果は、軸腐病が発生するので早めに出荷しましょう。
2.土づくり
有機物を10a当たり2tを目標に施用し、地力を高めましょう。
牛ふんオガ堆肥の場合は、10a当たり4tを目標に施用し、中耕しましょう。
3.土壌酸度改善
県南部は雨が多いため、土壌が酸性に偏りがちです。
苦土石灰で酸度矯正する場合は、10a当たり200kgを基準に施用し中耕しましょう。
1.縮間伐
日当たりと作業性向上のために、縮伐・間伐を実施しましょう。
2.貯蔵管理
(1)定期的に貯蔵庫内の換気を行うとともに、果実を点検し、腐敗果は早く取り除きましょう。
(2)へた枯れ果は、軸腐病が発生するので早めに出荷しましょう。
3.土づくり
有機物を10a当たり2tを目標に施用し、地力を高めましょう。
牛ふんオガ堆肥の場合は、10a当たり4tを目標に施用し、中耕しましょう。
4.土壌酸度改善
県南部は雨が多いため、土壌が酸性に偏りがちです。
苦土石灰で酸度矯正する場合は、10a当たり200kgを基準に施用し中耕しましょう。
5.ゆずの雪害対策
【事前対策】
1 樹の赤道面を紐で軽く縛り、降雪による折損や寒風による落葉を防ぎましょう。
2 幼木は、支柱を立てて、コモや寒冷紗で囲い結束しましょう。
3 高接ぎ樹は、支柱を立てて結束するとともに、接ぎ木部にも結束して補強しましょう。
【事後対策】
1 枝や樹冠に積もった雪は、早めに払い落としましょう。
氷着した雪は、無理に払い落とすと落葉するので、自然融雪を待ちましょう。
2 雪に埋まった幼木は、無理に掘り出さず自然融雪を待っても良いです。
3 枝が折れたり裂けた主枝、亜主枝等の太い枝は、出来るだけ早くせん除し、傷口に癒合促進剤を塗布しましょう。
裂傷の軽いものは、傷口が乾燥しないうちにひもで固く結束しましょう。
側枝などの小枝は、せん定時まで待ってから除去しましょう。
4 せん定は、寒凍害の心配がなくなってから行いましょう。
1.縮間伐
密植園は、計画的に縮間伐を行い、適正樹間に努めましょう。
2.整枝・剪定
(1)樹枝が混み合っている園は、太枝を中心に剪定し、樹幹の内部まで日光が入るようにします。
(2)表年園では、切り返し剪定を主体とし、目立ちを良くする。裏年園では、間引き剪定を主とし、樹冠の内部まで日光が入るようにしましょう。
(3)切り口は幹腐病対策のため、傷口保護剤を塗布しましょう。
(4)黒点病軽減のため、枯れ枝の除去を徹底しましょう。
(5)作業性向上のため、樹高を低くするよう心がけましょう。
3.施肥(春肥)
3月下旬に窒素成分で10a当たり7.0kgを施用しましょう。
4.病害虫防除
幹腐病やミカンハダニの防除を行いましょう。
5.除 草
地温を上昇させ、根の動きを活発にするために、草刈り又は除草剤の散布を行いましょう。