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ハウスすだちの栽培管理

4~5月の管理

【12月加温栽培】

 1温度管理(最高28℃・最低20℃)

 内張ビニールは,最低気温が15℃以上になったら除去しましょう。
最低気温が20℃以上になれば,加温を停止しましょう。

 2かん水

 7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準に,晴天の日の午前中に行いましょう。
収穫間近の乾燥は品質を低下させるので,乾燥させないように注意しましょう。

 3病害虫防除

 ミカンハダニ防除は、薬剤散布の適期をのがさず行いましょう。
アザミウマ類,コナカイガラムシ発生園では,薬剤散布を行いましょう。

 
【無加温栽培】

1追肥(4月上~中旬)

 開花始めに,10アール当たりチッソ成分6.3キログラムを施用しましょう。

2温度管理

 外気温が高くなり僅かな晴天でもハウス内温度が急上昇します。
温度管理には特に配慮し,充分な換気を行いましょう。

3かん水

 7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準に,晴天の日の午前中に行いましょう。ただし,開花期間中はかん水を控えましょう。

4病害虫防除

 灰色かび病防除は,開花始めから開花終期にかけて薬剤散布を行いましょう。
開花は2月上旬に樹冠上部から始まり期間は約1ヶ月です。ハウス内は無風状態の上に多湿で,花弁が脱落せず灰色かび病が発生し傷果となることがあるので,換気時に花弁を振り落としましょう。

 かいよう病,ミカンハダニの防除を行いましょう。銅剤と殺ダニ剤の散布間隔は14日以上あけてください。コナカイガラムシ発生園では,薬剤散布を行いましょう。

6月の管理

【12月加温栽培】(収穫終了後)

1. 礼肥(6月下旬)
 10アール当たりチッソ成分9.1キログラムを施用しましょう。

2. かん水

 7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準に,晴天の日の午前中に行いましょう。

3. せん定

 切り返しせん定を行い,夏芽の発生を促しましょう。

4. 病害虫防除
 かいよう病防除の薬剤散布を行いましょう。

 

【無加温栽培】

1. 追肥(6月中旬)

 10アール当たりチッソ成分6.3キログラムを施用しましょう。
  
2. 温度管理

 最低気温が15℃以上になったら,内張りビニールを除去しましょう。

3. かん水
 7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準に,晴天の日の午前中に行いましょう。

4. 摘果,摘葉 
(大玉果にするために)

 小玉果,密着果,傷害果,奇形果などは摘果しましょう。

(完全な緑色果のために)

 果実に密着している葉は摘葉しましょう。ただし,過度な摘葉はしないでください。

5. 病害虫防除
 ミカンハダニ防除の薬剤散布を行いましょう。ミカンサビダニ発生園では,同時に効果がある薬剤を選びましょう。 コナカイガラムシ発生園では,薬剤散布を行いましょう。

 

7月の管理

【12月加温】 収穫終了後
1.かん水
 7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準にしてかん水しましょう。
 かん水は晴天の日の午前中に行いましょう。(梅雨明け後の乾燥に注意)

2.せん定
 夏芽の発生を促す切り返し剪定を行いましょう。
 結果母枝育成のため,剪定は遅くとも8月上旬まで終えましょう。
 せん定後に発生する新梢は,翌年の結果母枝として大切であるので,病害虫(ミカンハダニ、かいよう病)防除を徹底しましょう。太枝の切り口には保護用の薬剤を塗布しまょう。

 

【無加温】 収穫・出荷 
1.土壌管理
 梅雨明け後の高温乾燥は,果実肥大と果汁増加を抑制するので,敷きワラ等で乾燥を防ぎましょう。

2.かん水

 果実の肥大促進のため7日おきに十分にかん水しましょう。

3.ビニールの除去
 除去するときは,急激な環境変化を少なくするため,曇天の日に行いましょう。
 温度管理ができるハウスは収穫期までビニールをおいてもよいでしょう。

8月の管理

【12月加温】
1.せん定
 結果母枝を充実させるため8月上旬までに終わらせましょう。

2.かん水
 乾きすぎに注意しましょう。

3.枝梢の管理
 二次枝の発生抑制に努めましょう。

4.病害虫防除
 かいよう病,ミカンハモグリガの防除を行いましょう。

 
【無加温】収穫終了後
1.夏季せん定
 収穫が終わった園から直ちにせん定を行い,遅くとも8月末までに終わらせましょう。

2.施肥(8月下旬)
 礼肥を施用しましょう。(チッソ成分で10アール当たり9.1キログラム)

3.病害虫防除
 かいよう病,ミカンハモグリガの防除を行いましょう。
 二番枝は結果母枝として使えるので,防除を徹底しましょう。

9月の管理

【加温・無加温共通】病害虫防除
 かいよう病,ミカンハダニの防除を行いましょう。

 かいよう病防除の薬剤散布は,多雨や台風来襲の前に散布しましょう。

 ICボルドーと他薬剤散布間隔に注意しましょう。

  (例)ICボルドー ←14日以上→ マシン油  

 樹が冠水した等により樹の上部と下部で新梢発生に不揃いが生じた場合の薬剤散布は、

 農薬の登録使用回数を超えないように注意しましょう。


【12月加温】
 土壌分析の結果に基づいて苦土石灰を施用しましょう。

【無加温】
 三番枝の発生抑制に努めましょう。

10月の管理

【12月加温】
1 土づくり
 有機物を施用して全面を軽く中耕し,土壌を膨軟にして地力をつけましょう。
 ハウス内の土壌は腐植の消耗が激しいので,有機物は毎年施用しましょう。
 樹勢が弱っている園では,計画的に客土を行いましょう。(10アール当6~8トン)

2 病害虫防除
 かいよう病,ミカンハダニの防除を行いましょう。
 かいよう病防除の薬剤散布は,多雨や台風来襲の前に散布しましょう。
 ICボルドーと他薬剤散布間隔に注意しましょう。
  (例)ICボルドー ←→ マシン油  14日以上

3 基肥
 10月上旬にチッソ成分で10アール当たり9.1キログラム施用しましょう。

 

【無加温】

1 基肥
 10月上旬にチッソ成分で10アール当たり9.1キログラム施用しましょう。

2 病害虫防除
 かいよう病の防除を行いましょう。
 かいよう病防除の薬剤散布は,多雨や台風来襲の前に散布しましょう。

11月の管理

【12月加温】

 1花芽確認
水挿し方法で花芽を確認しましょう。(2~3回行いましょう。)

 2施設の補修点検
暖房効率を高めるため暖房機の点検整備等,省エネ対策を徹底しましょう。

 3病害虫防除
かいよう病,ミカンハダニの防除を行いましょう。
・かいよう病の被害枝は,切除しましょう。

 ・ミカンハダニはビニール被覆までに徹底防除しましょう。
・薬剤の散布間隔に注意しましょう。
(例)殺ダニ剤←14日以上→銅剤

【無加温】

1微量要素の施用
ホウ素,マンガン等微量要素の欠乏園で施用しましょう。欠乏症が回復した園では施用を止めましょう。

12月の管理

【12月加温】
1ビニール被覆
出荷開始から逆算して130日前に被覆しましょう。
保温のため三重被覆とし,気密性を再確認しましょう。

2加温開始・温度管理
ビニール被覆後3~4日は,最高25℃・最低15℃とし,その後10日までは最高25℃・最低17℃とします。以後徐々に昇温し,発蕾期までは最高30℃・最低20℃とします。生育を害さないよう,急激な昇温はさけましょう。
発蕾後は,最高28℃・最低17℃を基準とします。

3かん水
ビニール被覆前に,たっぷりかん水しましょう。
被覆後のかん水は,7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準とします。
かん水は晴天の日の午前中に行いましょう。 

4病害虫防除
そうか病,かいよう病の防除を行いましょう。


【無加温】

1苦土石灰の施用
土壌分析結果に基づく等により,pH6を目標として苦土石灰を適量施用しましょう。

2土づくり
園内の土壌は,生育期間中の管理等で踏み固められているので,有機物を施用して全面を軽く中耕して,土壌を膨軟にし地力をつけましょう。
樹勢が弱っている園では,計画的に客土を行いましょう。

3病害虫防除
ミカンハダニ,かいよう病の防除を行いましょう。

1月の管理

【12月加温】

1温度管理
発蕾後は,最高28℃・最低17℃を基準としましょう。

2施肥
開花始めに追肥を10アール当たりチッソ成分で6.3キログラムを施用しましょう。

3かん水
開花期間中はかん水を控えましょう。

4病害虫防除
開花始めから開花終期にかけて灰色かび病防除の薬剤散布を行いましょう。開花期間中は通風換気に努めましょう。
アブラムシ類の発生時には薬剤散布を行いましょう。

【無加温】

1整枝・せん定
ビニール被覆前に間引きせん定を主体に行い,樹冠の内部まで光線が入るようにして,懐の太枝から新梢を発生させ,増収を図りましょう。
太枝の切り口には,切り口保護剤を塗布しましょう。
黒点病の予防のため,枯れ枝を切除しましょう。

2かん水
ビニール被覆前にたっぷりとかん水しましょう。

3病害虫防除
ビニール被覆前にミカンハダニ防除を行いましょう。

2月の管理

【12月加温栽培】

1 温度管理
 最高28℃・最低17℃を基準としましょう。
 生理落果終了後は最高28℃・最低20℃としましょう。

2 かん水
 かん水は,生理落果が終わり果実肥大が始まれば,7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準に行いましょう。
 かん水は晴天の日の午前中に行いましょう。

3 病害虫防除
 灰色かび病防止のため,換気時に花弁を振り落としましょう。
 かいよう病防除の薬剤散布を行いましょう。

 チャノホコリダニ・ミカンハダニ防除の薬剤散布を行いましょう。
 ハスモンヨトウ,コナカイガラムシの発生に注意し,発生園では薬剤散布を行いましょう。

  
【無加温】

1 ビニール被覆
 保温のため二重被覆としましょう。

2 温度管理
 ハウス内の最高気温は25℃までとします。最低気温はマイナスにならないようにしましょう。

3 かん水
 かん水は,7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準に行いましょう。
 かん水は晴天の日の午前中に行いましょう。

3月の管理

【12月加温栽培】

1 温度管理
 生理落果終了後,最高28℃・最低20℃としましょう。
 日中の気温が高くなってくるので,最高気温に注意しましょう。

2 摘果・摘葉
 大玉果を生産するために,小玉果,密着果,傷害果,奇形果などの摘果を徹底しましょう。果実に密着している葉は,摘葉しましょう。ただし、過度にしないようにしてください。

3 かん水
 7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準に,晴天の日の午前中に行いましょう。

4 病害虫防除
 かいよう病発生園では,果実が小豆大までに薬剤散布を行いましょう。
 ミカンハダニ防除は、薬剤散布の適期を逃さず行いましょう。
 アザミウマ類発生園では,薬剤散布を行いましょう。

5 追肥
 3月下旬に,10アール当たりチッソ成分6.3キログラムを施用しましょう。

 
【無加温栽培】

1 温度管理
 発芽後の最高気温は30℃までに抑え、充実した花等の成長を促しましょう。温度が高くなりすぎると生育が阻害されるので,換気に注意しましょう。
 最低気温はなるべく高く保つようにしましょう。

2 かん水
 7~10日間隔で10アール当たり20トンを基準に,晴天の日の午前中に行いましょう。

3 病害虫防除
 そうか病,かいよう病,アブラムシ類の防除を適期に行いましょう。
 そうか病は,発芽期の早期防除が大切です。