セーフティーラリー実行委員会のホームページでは、新着記事で交通安全に取り組んでいる人や企業にスポットを当て、交通安全に役立つ情報を掲載しています。
今回は、県警OBで交通部長などを歴任された澤口光資郎さんが昨年4月から国際協力機構【JICA】のシニア海外ボランティアとしてネパールに赴任され、カトマンズ首都圏交通警察局(カトマンズ)で活躍された際の貴重な経験を寄稿していただきました。是非ご高覧ください。
私は、JICAシニア海外ボランティアとして、2019年4月10日ネパールに赴任しました。
活動内容は、カトマンズ首都圏交通警察局(カトマンズ)で、交通安全活動の支援です。
赴任期間は、2年間でしたが、新型コロナ感染拡大により、2020年3月24日に一時帰国しました。
首都圏交通警察局の重点目標9項目のうち、トップ3を紹介します。
ネパールの飲酒運転の取締り基準は、「ゼロblood(血液)」と言われています。
体の中にアルコールが「ゼロ」でなければ、飲酒運転違反となります。
飲酒運転は、ネパールにおいて、悪質運転の最高峰(エベレスト)です。
カトマンズでの通勤手段は、2人乗りオートバイが活躍しています。オートバイ同乗者のヘルメット着用の必要性は、交通安全教室でも指導しています。オートバイ同乗者がヘルメット着用していなかっても、違反にはなりません。
カトマンズでは、オートバイを購入すると、ヘルメット1個(運転者用)がタダでいただけます。私は、ノーヘルの運転者を見たことがありません。運転者のヘルメット着用率は100%です。一方で、同乗者の着用率は、0%です。
現場の交通警察官は、交通死亡事故を抑止するため、同乗者のヘルメット着用の義務化を提言しています。
交通安全のちらしには、横断歩道を渡るときには、数人のグループで、渡りましょうと記載されてあります。横断歩道を渡っていても、車、オートバイは、歩行者の前後を走り、ストップすることは、ほぼありません。グループで渡ると、さすがに停止します。
「みんなで渡れば・・・・のネパール版」ですね。
現在、カトマンズでは、信号機の運用が本格的に開始されました。信号を守ることで、歩行者保護の行動が広がりつつあります。
オートバイは、日本かインドのオートバイのいずれかです。移動手段とモノの運搬手段としても、オートバイが主役となっています。町中にオートバイがあふれているので、オートバイの駐輪違反を徹底的に検挙していました。
オートバイで事故をしないでと願いながら、早めのライト点灯のメッセージカードをもって、街頭活動をしていました。
街頭活動中、「JICAの交通ボランティアです、64歳」と言うと、日本から、その年齢で、ネパールまで来て、ボランティアしているのかという反応でびっくりされていました。ネパールのために、ありがとうという感謝の声を聞きました。
毎朝、警察局で、ネパール警察官と、額あるいは胸の中央で、両手を合わせて、「ナマステ」とあいさつします。安全と安心を祈る気持ちが体現されていました。
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