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2022年度一般社団法人上勝阿波晩茶協会

参加企業
一般社団法人上勝阿波晩茶協会
https://www.kamikatsuawabanchakyokai.com/
協会紹介
人口減少・少子高齢化に伴い、年々減少する晩茶農家の消滅を食い止め阿波晩茶を盛り上げるべく2018年に設立。徳島県上勝町は、徳島県の中央山間部に位置する人口約1500人の町。四国の中で最も人口が少なく、「ゼロ・ウェイスト」を宣言した町として世界から注目されている。この地で、自家用として代々伝えられてきたのが『上勝阿波晩茶』。乳酸発酵しているのが特徴で、カフェインが極めて少なく、子どもから年配の方まで安心して飲むことができる。そんな希少価値が高いお茶を作っている農家さんを取りまとめる役割を担っている協会。

課題
全国どこの地方都市でも同じだが、人口減少・少子高齢化が年々加速している。2018年には約100軒ほど存在した晩茶農家も、2022年には約80軒となった。農家の軒数が減ると生産量が減り、晩茶の食文化自体が衰退してしまう。上勝阿波晩茶を未来へつなぐために、協会では様々な取り組みをしているが、その取り組みに対する意見、さらには「もっとこんな取り組みがあれば」という若者からの率直な意見がほしい。

参加者
大学生4名、高校生2名
ファシリテーター (進行役)
小山亜紀(株式会社あわわ めぐる、事業部マネージャー)

フューチャーセッション
実施日:(計4回)2022年11月19日(土)・12月4日(日)・2023年3月5日(日)・3月15日(水)
第1回
2022年11月19日(土) 10:00~ 場所:上勝阿波晩茶協会 参加者:大学生2名
協会紹介・課題の共有
初回FSを上勝町の「一般社団法人上勝阿波晩茶協会」にて実施。
「上勝阿波晩茶」は、徳島県の中央山間部に位置する人口約1500人の町・上勝町で、自家用として代々伝えられてきたお茶である。阿波晩茶プロジェクトでは、協会と学生が一緒に「上勝阿波晩茶を未来につなぐためには、どうすればいい?」ということについて考えていく。


代表の高木さんに阿波晩茶についてのヒアリングと茶葉の選別作業を体験させていただいた。 代表の高木さんは、元々は徳島市生まれ。なんと阿波晩茶とのゆかりは無かったとのこと。東京でのサラリーマン時代を経て、地元・徳島で開催される農業研修に参加し、そこで偶然上勝阿波晩茶に出会い、師匠へ弟子入りし農家へ転身を図られた。
上勝阿波晩茶を未来に繋ぐため、2018年に協会を設立し、町内でもトップクラスの生産量を誇る農家としても活躍中。
ヒアリングした内容は、阿波晩茶は農家ごとに味が違って、個性がある点が特徴。それが阿波晩茶の最大の魅力で楽しんでほしいところとのことだった。
協会設立時の2018年には約100軒ほど存在した晩茶農家も、2022年現在では約80軒となり、生産量も少しずつ減っている。
普段阿波晩茶に関わることがない人にも興味を持ってもらえるよう、年間を通してMY阿波晩茶作りを体験できる「桶オーナー制度」だったり、「上勝阿波晩茶祭り」等のイベントを実施している。
その後、阿波晩茶作りに触れるため選別作業を体験。


次回、徳島市内アクア・チッタで開催される「上勝阿波晩茶祭り」にメンバーと参加する。
昨年は約3500名の方にご来場いただき、全ての晩茶も完売御礼となった一大イベントである。
阿波晩茶の認知を広げるため、好きになってもらうためには、何が出来るか?どんなことが効果的か?・・・若者の目線から会議を重ねることとした。

第2回
2022年12月4日(日) 9:00~ 場所:万代アクアチッタパーク 参加者:大学生4名、高校生2名
上勝阿波晩茶まつりに参加
2回目のFSを実施。参加学生は6名全員。
晩茶の魅力を広くしってもらうためのイベント、『上勝阿波晩茶まつり』に出展した。
『ミラトク』メンバーは会場にブースを設置し、上勝阿波晩茶の飲み比べやアンケートを実施した。


前回のFS後、プロジェクトの中で学生と話し合いを行い、住宅設備アシストが提供する太陽光発電0円設置の導入を検討してもらうためには、現状、徳島県民の意識はどうなのかを知ろう!という事で、SDGsと再生可能エネルギーに関する意識調査をウェブ上で実施し、メンバー「見てもらうだけ」「買ってもらうだけ」ではなく、お客さんとコミュニケーションを取りながら意見交換を行い、聞き取り調査を実施した。(アンケートは100件獲得)
今後ここで得たアンケートを集計し、「上勝阿波晩茶を未来に繋ぐ」方法を考える。


第3回
2023年3月5日(日) 13:00~ 場所:上勝阿波晩茶協会 参加者:大学生4名、高校生2名
阿波晩茶の販路拡大についての話し合い
第3回FSを上勝阿波晩茶協会にて実施。参加学生は6名。
「上勝阿波晩茶を未来につなぐためには、どうすればいいか」で学生が感じたこと・考えたことを共有してもらった。
〇貴重なお茶であれば、パッケージを豪華にして売り出せばいいのでは?
〇有名企業に売り込んで、商品化してもらえばいいのでは?
〇『上勝阿波晩茶まつり』のようなイベントを年に1回ではなく2回くらい開催しては?
などの意見が上がった。
代表の高木さんの意見は「お客さんはもちろん大事だが、いちばん大事にしたいのは農家さん」との事だった。
現在、町内には晩茶農家さんが80軒弱ある。人口約1500人の町に80軒と聞くと意外と多く感じるが、この80軒の農家さんはほぼ高齢。後継ぎがおらず、作り続けることが難しく「来年には農家さんの数が半分になっている」という可能性もある。
「どう売るか」を主に考えてくれていた学生達は、改めて「上勝阿波晩茶を未来につなぐためには、どうすればいいか」について考え直すことになった。次回は、改めて考えたことをみんなで共有しひとつの「形」にする。

第4回
2023年3月15日(水) 14:00~ 場所:株式会社あわわ 参加者:大学生4名、高校生2名
阿波晩茶農家の現状を伝える印刷物を作る
最終FSを(株)あわわにて開催。参加学生は6名全員。
やり取りの中で、阿波晩茶をどう未来につなげていくか検討したところ、晩茶を販売・提供してくれている県内の飲食店で、阿波晩茶の注文を受けた際にお渡しできるハガキを作成することにした。
掲載内容について、始めは阿波晩茶の特長や製造過程等も入れたいという意見があったが、すでにその内容についてはまとめられた別の印刷物がある点、晩茶を購入してくれる方にお渡しするものなので、すでにある程度の知識があるという点から、今回のハガキは晩茶農家の現状を記載し、現状や晩茶協会の存在を知ってもらう事にフォーカスし作成した。
学生が描いた茶葉や晩茶のイラストを入れたハガキカードを県内の飲食店で配布する方法が採用された。
代表の高木さんからは仕上ったカードの使いやすいサイズ感や分かりやすいテキストを評価していただき、 直接高木さんの農園からお茶を購入していただいた方にもお渡ししたいとの意見が出た。



■成果物
ハガキサイズカード(県内の阿波晩茶提供店舗で配布)
(画像クリックでPDFが開きます。)
(表)
(裏)
プロジェクト後記
今回のプロジェクトでは、上勝阿波晩茶協会の「阿波晩茶を未来につなげるためには?」という課題に対し、新たな販路拡大の前に、減り続ける阿波晩茶農家さんをサポートすることが出来ないかについて考えた。その結果、阿波晩茶の購入者にお渡しする、阿波晩茶農家の現状や協会の存在を伝えるハガキを作成した。このハガキは阿波晩茶を提供してくれている県内の飲食店や、農家直接の購入者にもお渡しすることとなった。