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2022年度住宅設備アシスト株式会社

参加企業
住宅設備アシスト株式会社
https://www.jsassist.com/
企業紹介
住宅設備アシスト(株)は、徳島県で創業し25年の企業で、徳島県・香川県の新築住宅の電気工事や、住宅設備機器(太陽光発電システム、エコキュート、照明器具、蓄電池等)を販売。また近年SDGs達成や「再生可能エネルギー」の普及や導入に向けた、太陽光発電の0円設置サービスの提供を開始した。

ただし、実際はまだまだ取り組みが浸透しておらず、私たち自身もSDGsやサービスをしっかりと周知・広報できていないことが課題となっています。

課題
SDGs達成や再生可能エネルギーについて、徳島県民の方により興味を持ってもらい、ひいては近年自社で提供を開始した太陽光発電の0円設置サービス普及のアイデアを相談したい。
※2022年度の目標は、まず「徳島県内のより多くの方に環境問題やSDGsに興味を持ってもらう。」とし、2023年度に「太陽光0円設置サービスの普及」について段階的に考える。

参加者
大学生5名
ファシリテーター (進行役)
加渡 いづみ先生(四国大学短期大学部ビジネス・コミュニケーション科 教授)

フューチャーセッション
実施日:(計3回)2022年12月5日(月)・2023年1月30日(月)・3月24日(金)
第1回
2022年12月5日(月) 9:00~ 場所:四国大学 参加者:大学生5名
企業紹介・課題の共有
参加者が全員四国大学の学生ということもあり、四国大学の学内で実施。
参加学生は女性5 名、住宅設備アシストからは2名で、ミラトク趣旨説明~各社自己紹介ののち、住宅設備アシストの会社紹介行い、企業課題「県内の方に、より環境問題やSDGsに興味を持ってもらい、太陽光発電0円設置サービスの利用を促進する」について詳細を共有した。


企業が抱える課題についてヒアリングした後は、参加学生に率直な感想を聞いた。
実際に自分の家に太陽光パネルが設置されており、電力源として使っているという学生もいた。
商材を案内する中で「太陽光発電」に対してネガティブなイメージを持ち、門前払いしてしまう方もいるかもしれないが、実際に導入してみた人の話を聞くと、思いのほかネガティブな側面が少なかったりイメージを変えるきっかけになるかもしれない・信頼できる口コミが重要なのではないか等、様々な意見が出た。

本プロジェクトの課題は2段階に分かれており、今年度はまず「<第一のゴール>徳島県内のより多くの方に環境問題やSDGsに興味を持ってもらう」ということにフォーカスする。
今後は、アンケートによる一般の方へのSDGsの意識調査~取集データの解析、SNSを活用したPR活動など、参加学生と同世代の、これから未来を担っていく若者達に、クリーンエネルギーの大切さや、SDGsへの関わり方をどのように伝えていくのがベストなのか、引き続き協議を重ねる。
第2回
2023年1月30日(月) 16:00~ 場所:オンライン開催 参加者:大学生5名
意識調査アンケートの実施
今回はオンラインで実施、学生は5名全員、ファシリテーターの加渡先生、住宅設備アシスト、事務局が参加。


前回のFS後、プロジェクトの中で学生と話し合いを行い、住宅設備アシストが提供する太陽光発電0円設置の導入を検討してもらうためには、現状、徳島県民の意識はどうなのかを知ろう!という事で、SDGsと再生可能エネルギーに関する意識調査をウェブ上で実施し、メンバーで分析・今後の取り組みの意見交換をすることになった。
調査項目は、以下の5つに決定した。
Q1、あなたはSDGs(国連持続可能な開発目標)を知っていますか?

Q2、あなたは日常生活の中で、環境に配慮した行動を何か一つでもしていますか?(自然環境保護活動、省エネルギー、リサイクル活動やリサイクル商品の積極的購入、ごみの減量化、CO2排出削減につながる行動など)

Q3、次にあげる「再生可能エネルギー」についての言葉の内、少しでも内容を知っているものを全て選んでください。また、全て知らない場合は「全て知らない」を選んでください。(太陽光発電・風力発電・バイオマス・水力発電・地熱発電・太陽熱発電・雪氷熱利用・温度差熱利用・地中熱利用・波力発電・潮汐発電・潮流発電・全て知らなかった)

Q4、あなたの家には(マンション・アパートの施設も含めて)、太陽光発電の設備が設置されていますか?

Q5、Q4で設置されていないと選んだ方に伺います。「設置されていない」に当てはまるものを、すべて選んでください。(太陽光発電について内容がよく分からない、設置するための費用がかかる、設置工事をすることが煩わしい、太陽光発電のメリットが感じられない、修理やメンテナンスが心配だ、将来的にパネルの廃棄や処分が心配だ、現在の太陽光発電が無い状況で不便を感じていない、太陽光発電について検討することが面倒くさい、持ち家ではないから、その他)
調査の結果を元に、SDGsや再生可能エネルギーの認知度向上のためにはどうすればいいのか? ひいては企業のサービス利用者を増やすにはどのようなアクションが効果的なのか? 今回の意識調査の結果を、企業と学生でさらに分析し、今後の戦略をレポートにまとめていく。
第3回
2023年3月24日(金) 10:00~ 場所:オンライン開催 参加者:大学生5名
アンケート結果の分析・今後の取組についての話し合い
最終FSをオンラインで実施。学生5名、住宅設備アシスト1名、加渡先生、事務局が参加した。
以下の内容で調査を実施し、見えてきた内容についてまとめる。
【調査の概要】
  調査名:SDGs と新エネルギーについての認知度調査(四国大学短期大学部 加渡研究室)
実施時期:2023 年 1 月 23 日~ 1 月 24 日
調査対象:徳島県内在住者20~80歳の男女 300 人
調査方法:インターネットによる調査(Freeasy)


Q1とQ2のクロス集計結果は以下となる。

SDGsについての認知や理解度が高いからと言って、必ずしも環境保全活動を積極的に実践しているとは言い難く、また、環境保全活動に取り組んでいない人の多くが、 SDGs ついて認知していないとも言えない状況にある。
しかし、環境配慮した実践の一歩を踏み出すためには、まずSDGs について言葉を認知することが動機づけとなると考えられる。
SDGs について言葉の難解さや“他人ごと”というイメージを払拭し、様々な機会や場所を使って、日常生活の中で SDGs に関する情報を目にする、耳にする、接する経験を増やすことが重要である。そして、認知や理解が進むことで、環境配慮型の実践者の増加につなげたい。

また、その他の質問の回答は以下となった。


【課題と提案】
(1)SDGs について、「言葉を聞いたことが無い」割合は減少しているものの、まだ「言葉は知っているが内容を説明できない」割合が最も高くなっています。
消費者が SDGs について正しく知るためには、まず自分の言葉で SDGs を語ることが大切ですが、まだそこには至っていない消費者が多くいます。
「知っている」から「説明することができる」消費者を増やすことに焦点を当てなければならないと思います。
(2)小学校・中学校・高校や大学では、授業や課外活動を通してSDGs について学ぶ機会がありますが、年齢が上がるにつれて学びの機会は少なくなります。
仕事上だけではなく、 世代を超えてSDGs の学びの場を作ることが必要です。
(3)マイバッグやマイボトルの活用、ゴミの分別の徹底、環境配慮型商品の積極的購入、食品ロスの削減など、 日常生活の中でのエシカル行動が、その他の環境保全の行動実践へと結びつくことを発信することが大切だと考えます。

上記のレポートの分析を元に、今後アシストでどのような取り組みが出来るか、学生の意見出しを行った。

ウェブ調査結果の分析によって、環境配慮した実践の一歩を踏み出すためには、まずSDGs について言葉を認知することが動機づけとなると考えられると分かった。
以下は、今後徳島県における「SDGs」の認知を高め、ひいては商材「アシスト0ソーラー」導入につなげるための、学生からの提案をまとめる。

【学生の意見・提案】
■Aさん
SDGSポスターを作って貼る
・理由:単純に目にする機会が増えて認知向上につながる

・場所:企業・小中学校に配布し掲示を依頼する。
・注意点:なぜ掲示するのか?意義を説明することが必要。
      =目にする機会が多いほど「意味の説明」まで出来る人が増える
・誰が配布?=県のネットワークなどを活かしプロジェクトの学生が案内しOKをもらう
・備考:ポスターの枚数や内容については要相談。
     徳島県の高校生は「エシカル消費」の認知度100%=この活動を全国展開できないか

↓入れ込む内容

★環境に配慮した行動の例を挙げる
・自分自身もどんな行動が全て知らない。上記のポスターなどに例を入れ込む
★太陽光発電の正しい知識を取り入れてもらう
・電気代が安くなるという点
・実体験、口コミを取り入れる
・ポスターやチラシ、SNS等で展開
■Bさん
学校の授業などでSDGsについて学ぶ子供たちより、大人たちの方が認知度低いという事が分かる

その世代が良く使うSNS(インスタ・Twitter・Youtube)を使用して広報する
通勤等でよく通る場所に広告物を掲示できないか(ポスターなど?)
■Cさん
SNSで流し見するよりは講義やセミナーを開く方が、より深い知識を深めてもらえるのでは
アシストさんや学生さんが中心に講義開催

11月開催のGXフォーラム(加渡先生主導)や大学講義の担当教員への交渉次第で、アシストさんがゲストスピーチ等も可
■Dさん
知識を広めるより、とにかく太陽光発電のシステムを付けてもらって口コミを広める。
マイホームを買うときに勧める(電気代が安くなる…等)
家を買う=家族が増える人が多い=将来的にメリットが大きい
現在のアシスト様の新規客へのアプローチ方法
・HP、ブログ
・SNS(インスタ、Twitter、YT)
・TVCM(週1回、四国放送日曜朝)
・住宅会社への広告物配布(※太陽光の説明は実際にスタッフが赴く)
■Eさん
(1)SDGsに関するボランティア(企業)に参加することを会社から持ちかける
(2)SNSの利用の仕方をよく知っている私たちが情報発信、アンケートを行う。紙媒体での発信も効果があることが分かったので学生が制作したポスターの掲示、配布を行う。
(3)親子で参加出来るSDGsに関するイベントを学生主体で企画する。
楽しみながら大人にも知ってもらう機会になるが、子供のいる大人にしか広まらないデメリットもある。

上記の学生の意見を受け、企業サイドにもフィードバックをいただいた。
【アシストからのフィードバック】
(1)リーフレットやポスターを制作する
・リーフレットの内容:
太陽光取付の価格が高い、廃棄の仕方が分からない…等の調査結果があった。その疑問を解決する内容
                       +
実際に付けた方の口コミを入れたリーフレット/ポスター(既存顧客に口コミの依頼も可能→学生にインタビューしてもらう。)

・配布方法:
大学で配布する(プロジェクトの学生の協力?)
住宅会社に納品して、顧客に渡してもらう。
SNSやHPでも完成リーフレットを公開/発信する。
・設置場所:学校、企業、駅や公共施設、商業施設等(※要検討、場所や内容によっては有料の場合も有)
・備考:
実際に太陽光発電を購入する世代は…紙媒体メインである。
実績として、2023年冬頃に太陽光の取付顧客からの口コミをまとめたリーフを住宅設備アシストより送付。
(太陽光を付けている既存顧客宛て。太陽光発電の効果的な使用方法や電気代の実情などを記載。)
1200部郵送し好評だった。地方ほどSNSより紙媒体がまだ響く
(2)その他
・SNSにアップできる動画制作はどうか
・3月は毎週、住宅設備アシスト主催で県内企業でセミナーも実施。そこに学生参加も検討
・「徳島県自然・水素エネルギーパートナーシップ奨励賞」受賞、ここも独自に強みとして使えないか
前述した学生・企業の意見をまとめると、
「<第一のゴール>徳島県内のより多くの方に環境問題やSDGsに興味を持ってもらう。
<第二のゴール>徳島県民に環境問題やSDGsの意識が浸透させ、私たちの太陽光0円設置サービスの利用に繋げる。」を達成するために、以下の実施を検討している。

・実際に太陽光発電を設置している消費者の元へ学生が取材し口コミをまとめ、リーフレットやポスター、動画を作成する。
・上記には口コミだけでなく、SDGsを認知していない層へ認知を広げるためSDGsの具体例についても掲載し、第一・第二のゴールを達成できるものとする。
・上記の拡散方法、配布場所や設置場所については要協議。(場合によっては有料となる。)
・セミナーやイベントの実施も検討し、制作した啓発物の配布をする。



■成果物
ミラトク「住宅設備アシストプロジェクト」報告書(R4年度)
プロジェクト後記
今回のプロジェクトでは、住宅設備アシストの「徳島県内のより多くの方に環境問題やSDGsに興味を持ってもらう」という課題に対し、webアンケート用いて県民のSDGsに関する意識調査を実施・分析、環境に配慮した実践(太陽光発電設置など)の一歩を踏み出すためには、まずSDGs について言葉を認知することが動機づけとなると考えられることが分かった。
この結果をもとに、2023年度にはどのような方法を採用しSDGsに対する意識を深め、ひいては住宅設備アシストの太陽光発電0円設置サービスを周知するか考えていく。