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特集1:徳島県立しらさぎ中学校 希望を拓く新しい学びをいっしょに。【令和3年9月号】

OUR徳島9月号特集1表紙イメージ

●それぞれの夢や目標を持って「しらさぎ中学校」に入学した生徒と教員の皆さん。
多様な世代や国籍の方が集っています。

全国初となる県立の夜間中学が開校しました

 自分の夢や希望を叶えるため、もう一度、学び直したい。そんな方々の期待に応えるため、全国初の県立の夜間中学となる「徳島県立しらさぎ中学校」が令和3年4月に開校しました。初年度の生徒数は、10代から80代までの総勢37人。さまざまな理由により義務教育を修了できなかった方や、不登校や病気等でほとんど学校に通えなかった方、徳島で暮らす外国籍の方などが集まり、それぞれの目標に向かって新たな学びをスタートさせています。

世代や国籍を超え自分が目指す学びを

 しらさぎ中学校が目指すのは「誰一人、取り残さない教育」です。小・中・高の教員免許を持った教員たちが力を合わせ、生徒一人ひとりの目標や学力に合わせた学びを提供しています。県内で住んだり働いたりしている15歳以上の人なら、誰でも入学を志願できるのも大きな魅力。現在は県内10市町から生徒が通っており、世代や国籍を超えた交流の中で自分を磨いています。あなたもこの場所で、自分にふさわしい学びを見つけてください。

「しらさぎ中学校」で、探したい未来がある。

●しらさぎ中学校 校章

いろんな夢や目標を持った方の「学びたい気持ち」を力強く支える、徳島県立しらさぎ中学校。その第一期生として新たな一歩を踏み出した方々に話を伺いました。
 

学び、成長する楽しさを、初めて実感できた気がします。

しらさぎ中学校 1年生 峰 祐紀(みね ゆうき)さん(19歳)

社会人になって気づいた学ぶことの大切さ

 ある日、母が「県立の夜間中学校ができるみたいだよ」と声を掛けてくれたのが、しらさぎ中学校に入学するきっかけでした。

 小学校6年生から3年間にわたって不登校を経験し、高校を卒業してすぐに就職。当時は学校で学ぶことの大切さに気づいていませんでしたが、社会人として働いているうちに「もっといろんなことを学んでおけば良かった」と後悔することが多くなっていた時期でした。

 昔は「勉強なんて、いつでもできる」と思っていたけれど、実際はどこから手を付ければいいのかも分からない。そんな僕を優しく導き、学ぶことの楽しさを教えてくれたのが、しらさぎ中学校の先生方です。どんな質問にも理解できるまで丁寧に教えてくださるので、勉強が楽しくて。仕事でどんなに疲れていても、自然と足が学校に向かいます。

●それぞれの目標やレベルに合わせ、丁寧な指導を行います。

自分の可能性をもっと大きく広げたい

 いろんな世代や国籍の方々とクラスメートになり、一緒に学び合えることも夜間中学の大きな魅力です。同世代との会話とは違い、相手のことを理解し、思いやる気持ちがないとコミュニケーションが成立しません。そんな環境に身を置くことで、社会人としても一回り大きく成長できると感じています。

 今の目標は、中学校レベルの学力をしっかりと身に付け、夜間高校に進学することです。将来はここで身に付けた学力や資格を活かして仕事の面でもスキルアップを図り、一人前になって少しでも親孝行ができればと思っています。

 この学校に入学するべきかどうか悩んだ時期もありましたが、今は100%の気持ちで「入学して良かった!」と言えます。その喜びを多くの方々と共有し、一緒に成長していければと思っています。

何度でも安心して間違えられる。だから、みんなで前を向ける。

しらさぎ中学校 1年生 栗山 康伸(くりやま やすのぶ)さん(67歳)

学問を基礎から学び直すために

 「もう一度、最初から勉強をやり直したい」。そんな気持ちが強く芽生えたのは、還暦を過ぎた頃のことです。高校を卒業してすぐに就職した私は、心のどこかで大学生活を送れなかったことに未練を残していました。

 もう一度、大学受験に挑戦してみたい、でも、今から一人で基礎から学び直すのは難しい。そんな思いが渦巻く中で偶然目にしたのが“しらさぎ中学校”が設立されるという記事でした。すぐに電話で「私でも入学できますか?」と問い合わせたところ「大丈夫です」というお返事をいただいて。本当に嬉しかったですね。

 しらさぎ中学校では、それぞれのレベルに合わせたコースが用意されていて、私は先生と相談して、小中学校の基礎を学べるコースにしました。学問を基礎から学び直すことで、自分の力を試してみたいと思ったからです。

●学ぶことに強い意欲を持った生徒が集まっています。

一人ひとりの思いに寄り添ってくれる学校

 ここで実際に学んでみて驚いたのが、先生方の教育に対する姿勢です。「学校は間違うために来る所です」とおっしゃってくださり、その言葉通り、それぞれの理解度に合わせて何度でも丁寧に教えてくださいます。どんなことでも気軽に質問することができるので、分からないまま先に進むことはありません。

 同じクラスの生徒一人ひとりにそれぞれの目標があり、学びたいことがある。そして同じように間違えながら、それを乗り越えようとする仲間が近くにいる。だから、この学校では絶対に“落ちこぼれ”は出ないと思います。

 最近嬉しかったことは、1学期の成績表をもらったこと。何十年かぶりにもらった成績表には、点数などではなく、先生からのメッセージが書かれていました。「学びたい」という気持ちを正面から受け止めてくれるこの学校で、夢の実現に向かってこれからも頑張ります。

本校の魅力や可能性を、もっと多くの方に知ってほしい。

しらさぎ中学校 教頭 籔内 純一郎(やぶうち じゅんいちろう)さん

県内10市町から37人の生徒が入学

 さまざまな理由で学び直しをしたい方や、新たに学びたい方の期待に応えるため、「徳島県立しらさぎ中学校」が設立されました。

 本校は全国初の県立夜間中学として開校し、県内すべての市町村を対象に生徒を募っています。現在は県内10市町から37人の生徒が本校に通学しており、阿南市や美馬市など、遠方から通っている方もいます。

 授業は、昼間の中学校と同じ教科のほか、藍染体験や、遊山箱の製作などの徳島ならではの授業も行います。今後、隣接する徳島中央高校夜間部との交流も考えています。

 幅広い年代や国籍の方を入学の対象としていることも、夜間中学の特色です。本校には10代から80代まですべての年代が集まっているほか、中国や韓国、フィリピンなどの国籍を持った方々が、日本での生活をより良くするために学んでいます。

生徒と一緒に学びながら成長していきたい

 生徒の皆さんが本校に通う理由はさまざまです。高校や大学進学を目指す方をはじめ、学歴をつけて資格を取りたい方や、職場でのステップアップを望む方、諸事情により中学校に通えず中学校生活を夢見ていた方もいらっしゃいます。

 本校では、それぞれの目標や希望する学習内容によってコースに分かれ、自分に合ったペースで安心して学んでいただくことができます。また、生徒一人ひとりと相談を重ねながら、教育内容を柔軟に組み立てられることも夜間中学の特徴です。その方がどんなことに興味を持ち、何を学びたいかを聞き取り、短期的な目標を立てながら、それぞれのゴールに向かって授業を進めるように心掛けています。

 生徒の皆さんとは入学時の面接から関わっているので、それぞれが抱える過去や、今後の目標を私たちは知っています。勇気を持って入学してくれた方々の気持ちに応えるためにも、教職員が一丸となってサポートしていかなければならないと思っています。

 嬉しいのは、当初は入学に迷っていた方が「入学して本当に良かった」と言ってくださるケースが多いことです。「しらさぎ中学校」の事を多くの方に知っていただき、興味を持っていただけるよう取り組んでまいります。もし、あなたの近くに学びを必要とされている方がいらっしゃれば、ぜひお声がけください。

徳島県立しらさぎ中学校 令和4年度生徒募集

入学希望のご相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

  • 対象2022年4月1日時点で15歳以上
  • [所在地]徳島市北矢三町1丁目3番8号 徳島県立徳島中央高等学校敷地内

徳島県立しらさぎ中学校について、詳しくは次のリンク先へアクセスしてください。

とくしまけんりつしらさぎちゅうがっこう(外部サイト、別ウィンドウで開く)

動画でより詳しく紹介しています。「けーぶる12」でも放送中。

あわリポ!「『徳島県立しらさぎ中学校』開校1年目の挑戦」 - YouTube (外部サイト、別ウィンドウで開く)