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コロナを乗り越える日本再生宣言

5月25日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が、
約1か月半ぶりに全面解除された。はじめに、かけがえのない命を亡くされた皆
様に謹んで哀悼の意を示すとともに、現在も闘病されている皆様の早期のご回復
を願うものである。そしてまた、この間の医療従事者の献身的なご尽力、外出や
営業自粛をはじめとした国民や事業者の皆様のご協力に、深く感謝を申し上げたい。

これからは、次の感染の波を抑止しつつ、社会経済活動を段階的に引き上げて
いく新たなステージ「WITH・コロナ」に入った。しかし、これで以前の社会
に元通りということにはならない。新型コロナウイルスは世界中をまだ巡ってい
る状況にあり、国内でもどこに潜んでいるかわからない。これまでの国民の努力
が水泡に帰すことが無いよう、徹底した感染予防を行う「新しい生活様式」を社
会に定着させていくとともに、現状に即したガイドラインを国に求めていく必要
がある。我々は、コロナを乗り越え「地域から日本を再生する」新たな時代を創
っていかなければならない。

「感染予防」と「社会経済活動の段階的な再開」を両立させるためには、まず
もって、感染者の早期発見・追跡・入院治療を可能とする検査・医療提供体制を
早急に再構築しなければならない。今後、海外との往来再開も見込まれる中、国
の水際対策と連携を図りつつ、PCR検査と抗原検査などの新しい検査を民間機
関も含め大規模かつ効果的に活用し、感染の流行を迅速に察知するとともに、保
健所の積極的疫学調査により感染ルートを明らかにし、早期に感染拡大を封じ込
める一方、ワクチン等の早期実用化を図るとともに、病院経営安定化や医療資機
材供給の保障を国に求めつつ、患者を確実に受け入れ、重症者にも対応できる強
固な体制により治療を行うことで、二度と大きな感染の波を起こさせないことが
何よりも重要である。そこで、このような検査・医療提供体制の再構築に向けて、
国や保健所設置市とも連携し、今回の第1波で生じた施設のクラスター感染をは
じめとする感染ルートやその対処方策、ビッグデータ活用、保健所運営や情報開
示を含めた各地のモデル的実践例などを収集・分析し、法的制度や運用の改善検
討も含め、全国で共有していく取組に着手する。

そして、感染拡大を防止するため、多くの社会経済活動をストップせざるを得
なかった中で、特に高齢者、障がい者、子ども、ひとり親世帯をはじめ相対的に
弱い立場の方々に大きなしわ寄せが及ばないよう、しっかりと目配りするととも
に、学校の長期臨時休業で大きな影響を受けた子どもたちの学びに著しい地域間
格差が生じないようにするほか、原子力安全対策を含め避難に際する感染防止を
図るなど、きめ細かな対策を講じなければならない。また、新型コロナウイルス
感染症は、経済情勢の悪化だけでなく、感染症患者等に対する憶測によるデマや
誤った情報の拡散、個人や企業への誹謗中傷などを生じさせたが、こうした社会
の分断と軋轢も修復しなければならない。その上で、行動類型に応じた感染リス
クを把握し、感染状況を踏まえたイベントや移動の自粛基準等の適切なあり方を
国に求め、社会経済活動の再開と感染予防との両立を図りながら、雇用の維持や
確保、国と連携した観光・企業経営への支援などによる地域経済の活性化を通じ
て、日本の活力を復活させていく必要がある。

そこで今こそ、大打撃を受けた経済へのダメージを全力で回復することはもと
より、これまでの地方創生の成果により、日本全国、津々浦々で生まれてきた様々
な萌芽を大きく育み、今回のコロナ禍を契機に活用が普及しつつあるテレワーク・
リモートワーク、そして全国知事会でも最大限活用してきたオンライン会議など
の取組を進化させ、我が国における「デジタル・トランスフォーメーション」を
実装することが重要である。加えて、5GをはじめSociety5.0 新時代のインフラ
を早期に整備し、経済社会のイノベーション創出の動きをさらに加速させるとと
もに、ゼロカーボン社会へと歩を進めることで、全国各地が感染症の脅威にも強
くしなやかに対応し持続的に成長できる「新次元の分散型国土」を創出していか
なければならない。

今回の新型コロナウイルス感染症に起因する社会経済状況は、戦後最大の危機
に直面している。しかし、我々は壊滅的な痛手を被った戦争からの復興をはじめ、
二度にわたる石油ショックや世界中を巻き込んだリーマンショックのような10
0年に一度の経済危機、そして阪神・淡路大震災や東日本大震災といった未曾有
の自然災害を経験しながらも、そのたびに国を挙げてこれら幾多の困難に立ち向
かい、克服への途をたどってきた。

今般の世界的に流行している新型コロナウイルス感染症により生じた難局を
抑えつつある「日本の奇跡」は、国民すべてが協力の絆を結んだ結果にほかなら
ない。これを得難い教訓として、今後訪れるであろう、第2波、第3波の感染拡
大についても、経済界と行政、国と地方、都道府県と市町村そして何よりも国民
が心を一つにして対処することで、必ずや克服できると確信する。我々47人の
知事は、地方の現場を預かる者として、住民の命と生活、そして地域の経済と雇
用、かけがえのないふるさとを守り、この国を再生する先陣を果たす覚悟で新た
な時代を切り拓いていくことをここに宣言する。

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