教育通信ふれあいひろば Vol.28 平成19年12月 編集 徳島県教育委員会教育総務課〒770-8570 徳島市万代町1丁目1番地Tel.088-621-3181 Fax.088-621-2879 みんなで学ぼう 楽しく学ぼう みんなの意見をきこう 自分の考えを伝えよう じっくりと考えよう 確 か な 学 力 を 育 成 す る た め に  本県では、平成18年度から、基礎学力はもとより、思考力・判断力・表現力などを 含む「確かな学力」の育成を目指し「徳島県学力向上推進事業」を実施しています。 学力向上推進員を中心にした各学校における学力向上への取り組みや、県の学 力調査で課題が明らかになった「読解力」を高めるための「読書の生活化プロジェ クト」など、全県を挙げた取り組みを展開しています。 さて、本年4月、全国の小学校第6学年と中学校第3学年の児童生徒を対象に、国 語、算数・数学について「全国学力・学習状況調査」が実施されました。これらの調 査結果を十分に分析し、子どもたちの更なる学力向上に生かしていきたいと考えています。今回は、この調査でわかったことの一部をご紹介いたします。 全国学力・学習状況調査 徳島県の結果から…  「全国学力・学習状況調査」の結果、本県では「知 識」に関する問題については、各学年、教科とも、出 題された学習内容をおおむね理解していると考えられ る状況でした。「活用」に関する問題については、「知 識」に比べ平均正答率が低く、課題が見られました。 「知識」に関する問題●身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に影響を及ぼす内容●実生活において不可欠であり常に活用できるようになっていることが望ましい知識・技能 「活用」に関する問題●知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力などにかかわる内容●様々な課題解決のための構想を立て実践し評価・改善する力などにかかわる内容 「活用」する力に課題が・・・ 課題が見られた問題例・小学校 算数(知識)《正答》 式 底辺×高さ(4×6)答え 24cm2 正答率 94.4% (全国96.0%) ・小学校 算数(活用)《正答》 答え 東公園の面積のほうが広いわけ 東 公 園100×110=11000    中央公園 70×150=10500    だから東公園の面積の方が広い。 正答率 16.2% (全国18.2%) ②で平行四辺形の面積を(70×160)で求めた誤答が31.4%(34.4%) もあり、公式は知っていても、地図から必要な情報を取り出して面積を求 めるようになると、正答率が下がっています。 ※「算数・数学科」活用力向上のポイント   算数・数学の学習内容を他教科の学習や日常生活と関連づけて考えるようにしましょう。 また、筋道を立てて考えたり、「○○だから○○となる」など、根拠を明らかにしながら説明 したりする機会を増やしましょう。 課題が見られた問題例小学校 国語(活用)《正答例》 ・自分の体験をもとにした感想や意見、決意が明確であること。・主人公の言葉を使ったり、物語のあらすじをまとめたりしていること。・三段落構成で書いていることや言葉の使い方を工夫していること   *二つの文章を比べて読み、共通する書き方のよさや工夫を評価し、自分の考えと してまとめる問題です。正答率は約50%(約55%)でしたが、記述式のため無解答 が15%(15%)前後ありました。 ※「国語科」活用力向上のポイント 文学作品や説明的な文章のほかにも、新聞、雑誌、説明書 など、さまざまな文章や資料にふれたり、複数の文章や資料 を比べながら読んだりしましょう。そして、自分の考えを明 確にし、その根拠を明らかにしながら書いたり話したりす る機会を増やしましょう。 ※( )は全国の数値です。  ※「全国学力・学習状況調査」の問題・正答例や調査結果は、文部科学省のホームページに掲載されています。  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/index.htm 今回の調査では,児童生徒の学習意欲や  生活習慣などの状況についても調べました。 学力と生活習慣などの関係に、こんな傾向が・・・【朝食を毎日食べる児童生徒の方が正答率が高い傾向】 【小学6年生】  朝食を毎日食べていますか 食べているあまり食べていないどちらかといえば、食べている 全く食べていない 【中学3年生】  朝食を毎日食べていますか 食べているあまり食べていないどちらかといえば、食べている全く食べていない グラフの見方   小6で朝食を毎日食べている児童の国語(知識)の平均正答 率は81.7%、全く食べていない児童の平均正答率は66.7%で ある。 左の例以外にも、「家で学校の宿題をする」「家の人 と学校での出来事について話をする」など、基本的な 学習習慣や生活習慣の確立と正答率には、一定の相 関関係があることがうかがえました。 また、「読書が好き」「人の気持ちがわかる人間にな りたいと考えている」児童生徒の方が正答率が高い傾 向にありました。 今後とも学校・家庭・地域が一体となった取り組みが 求められています。 県教育委員会では,これらの調査結果に基づき「徳島県学校改善支援プラン」を策定し,教育施策や学校の教育活動の改善に努め,子どもたちの学力向上を推進してまいります。 「平成19年度学力向上フォーラム」 ●平成19年12月15日(土) ●郷土文化会館13:00~   「全国学力・学習状況調査」、「徳島県学力調査」の結果から明らかになった 学力や学習状況についての課題を基に、本県の子どもたちに求められる学力 やその向上策について考えましょう。 問い合わせ先  徳島県立総合教育センター 学校支援課 電話:088-672-5300 「平成19年度とくしま家庭教育フォーラム」 ●平成20年1月26日(土) ●郷土文化会館10:00~   参加型講演やワークショップ等を通じて、 「早寝 早起き 朝ごはん」運動の推進や「子 どもを健やかに育てる家庭教育のあり方」 について考え語り合いましょう。問い合わせ先 徳島県立総合教育センター 生涯学習課 電話:088-672-5400