ふれあいひろば vol.32 平成21年2月編集 徳島県教育委員会教育総務課〒770-8570 徳島市万代町1丁目1番地Tel.088-621-3181 Fax.088-621-2879 県内すべての幼稚園・学校で、 人権教育に取り組んでいます。 鳴門東幼稚園 鳴門東小学校 三加茂中学校 阿南養護学校※写真は、平成19・20年度の文部科学省及び徳島県教育委員会指定人権教育研究指定校の取組です。 人 権 尊 重 社 会 の 実 現 に 向 け て   平成19年度に徳島県教育委員会が実施した「教育に関する県民意識調査」によると、「人権教育に望 むことはどのようなことですか」という問いに対し、       ● まわりの人を大切にする心や態度を育てる       ● 権利を主張するだけでなく、義務や責任も果たす態度を身につける       ● 互いのちがいや多様性を認めることができる力を育てる       ● 自分のことを大切にする気持ちを育てる ということが求められていることがわかりました。   県教育委員会では平成20年10月に、今後5年間の徳島県の教育の具体的方策を示した「徳島県教育 振興計画」を策定し、その基本方針の一つに「人権尊重社会をめざす教育の実現」を掲げました。人権教 育では、すべての人が等しくもっている権利が尊重され、一人ひとりかけがえのない大切な存在として、認 め合い、支え合い、つながり合って、共に生きる人権尊重社会の実現をめざしています。 学校・家庭・地域が一体となった人権教育の取組を   学校・家庭・地域が緊密な連携を図り、「地域の子どもは地域で育てる」という視点に立って、より効果的な人 権教育が推進できる協力体制を築くことが大切です。   県教育委員会では、家庭における人権教育の推進のため、交流学習や体験活動など、人とのふれあいを大切 にした活動をとおして、自ら「感じ、考え、行動する」力をつけていく事業に取り組んでいます。その中で、子どもた ちの豊かな人間性や感性、鋭い人権感覚をはぐくむとともに、発達段階を踏まえて、子どもたちが自主的に活動 できる機会を設けることにより、人権問題の解決に向けた実践力を養っています。「かぞくでいっしょにじんけん学習」を実施して   子どもと保護者が共に学び、人権の大切さを理解し、豊かな感性や人権感覚を育成するための学習機会はとても大切です。この事業は、国 の委託を受けて県教育委員会が実施しているもので、5歳から小学校6年生までの幼児児童とその家族を対象としたものです。夏休み前に参 加者を募集し、8月から11月までの間に4回の講座を組み、人権の大切さについて感じたり、考えたりできる学習内容で実施しました。今年度 は抽選による26組の家族73名が参加しました。 第1回学習講座 伝え合う【手話を学ぼう】●聴覚障害のある人に「伝える」ためには何が大切か考えました。「伝えよう」 「わかり合おう」とする気持ちが一番大切なんだということを学びました。また、 聴導犬のことや手話によるあいさつや自己紹介のしかたも学び、伝え合う方法 にはいろいろあること、そしてそれを一つ一つ身につけていくことで多くの人と 友だちになれることを知りました。 手話を学びました第2回学習講座 認め合う【外国の文化にふれよう】●ブータン、中国、シリア、カナダ、ケニア出身の講師をお迎えし、出身国の紹介や 日本について感じたことなどを話していただきました。また、それぞれの国の歌や 遊びなどを交えて楽しく学習する中で、「違い」をこえて認め合えることを体験を 通して学ぶことができました。 それぞれの国を紹介してくれました第3回学習講座 つながり合う【ゆたかにつながろう】●絵本の読み語りや「わらべうた」をもとにしたつながり遊びを通して、人と人と がふれあい、つながる心地よさや心が通い合うことによるあたたかな気持ちを味 わうことができました。 わらべうた遊びを楽しみました第4回学習講座 わかり合う【コリアタウンに行こう】●大阪コリアタウンでフィールドワークを行い、実際に街角を歩く中で、生活や文 化、歴史を学び、そこに住む人々の思いにふれることができました。文化の違いを 認め合いながら、わかり合っていくことの大切さを学びました。 キムチ作りを体験しました 参加者の感想●子どもだけでなく親もいっしょに学ぶことができ たことは、人権を考えたり、話し合ったりする上で、と ても有意義なことだと思います。●最初は人権学習と各講座の内容がどう関係して いるのかと思いましたが、知らない人たちともつなが り合えるということを、言葉ではなく、体で学習でき、 大変有意義だったと思います。●私自身もゲーム等で他の家族の方とふれあうこと によって、楽しい時間を過ごせたことが良かったです。 人権学習と聞くと難しいと思いがちですが、今回の研 修を通して人権学習に親しみをもてたように思います。●一人ひとりが何の偏見もなくつながり合って、みん なの輪ができあがる。人権ってそんな感じかなとふ と思いました。 ふれあい人権劇発表会徳島県教育委員会では、各学校や地域で制作・上演されている「人 権劇」、「人権映画(ビデオ)」を募集し、昨年12月20日(土)に県立二 十一世紀館(イベントホール)において、表彰式を行い、最優秀作品を 上演しました。ふれあい人権劇発表会 入賞作品一覧最優秀 作品賞 作品名ノンノン山の鬼ごっこ 学校名 徳島市一宮小学校 優 秀 作 品 賞 作 品 名 学 校 名 山姥 吉野川市立山川中学校 じいちゃんのハーモニカ 吉野川市立川島中学校 十四歳の迷い道 ~こわれたシーサー~ 美馬市立三島中学校 未来への種 鳴門市第二中学校春寒リターンズ 阿南市立福井中学校 「青空」 ー2008ー 徳島市徳島中学校 中・高生による人権交流事業この事業は、中学生・高校生が交流・連携する中で、人権や人権問題 について語り合い、人権意識の高揚を図り、様々な人権問題を解決す る実践力を身につけることを目的として実施しています。 活動内容  「先進地研修」など中部・南部・西部の各ブロック単位で取り組んでいる 活動と、県内の中・高生が一堂に集い、人権や人権問題をテーマに、それぞ れの思いや取組などを交換し合う「中・高生による人権交流集会」を実施 しています。交流集会は生徒たちが意見やアイデアを出し合い主体的に 運営しています。本年度は約500名の参加がありました。 本年度の分科会テーマ第1分科会  「人権をポジティブに考えよう」第2分科会  「誰もが過ごしやすい環境~パート2」第3分科会  「同和問題を考える」第4分科会  「世界の子どもの人権を考える」