~地域とともにあゆむ教育を目指して~ 地域の方々による取組 子どもたちとともに    あゆむ地域づくり  子どもたちの生涯を通じた「学び」や成長をはぐくむ場は、学校や家庭、地域の中にあります。学校・家庭・地域の連携・協力の仕組みを構築するとともに、学校・家庭・地域がそれぞれに求められる役割を十分に果たすことが重要です。 このため、県教育委員会では、地域の方々の参画を得て、放課後・休日等において子どもたちが地域の中で、安全に安心して様々な体験・交流活動や学習活動を行う場づくりを推進するとともに、地域の人材や教育力を積極的に活用し、地域全体で学校教育を支援する体制づくりを進めています。 放課後子ども教室  放課後・休日において、学習、スポーツ、文化活動や地域の方々との交流活動を行うことのできる安全・安心な子どもの活動拠点づくり。県内で51教室開設。 学校支援地域本部  学校と地域の連絡調整を行うコーディネーターを中心とした、地域の方々による学校支援ボランティアの組織づくり(「地域住民による学校の応援団」)。県内で13本部開設。 コミュニティ・スクール  地域や保護者の方々が学校運営や学校教育活動の支援に参画する学校運営づくり。県内において、コミュニティ・スクールモデル校11校。 あらたな取組 地域教育支援活動奨励表彰  県内各地域において、地域全体で子どもの教育に取り組む気運のさらなる醸成を図るために、学校や家庭及び地域における教育への支援・協力などの活動を行う地域の方々の中で、おおむね3年以上その活動に取り組み、今後の活躍が期待される個人や団体に対して、県教育委員会が奨励表彰をします。 第1回目の今年度は25団体・個人の方が表彰を受けられました。 学校サポーターズクラブ認証  小学校区または中学校区において、学校の支援・応援を行っている自治会、婦人会、青年団、老人クラブ、ボランティアグループなどの地域の団体のまとまり、連携を「学校サポーターズクラブ」(学校の応援団)として、県教育委員会が認証します。 学校サポーターズクラブとして認証したクラブにサポーターズフラッグ(のぼり旗)を提供するとともに、学校支援活動に関する情報提供を通して活動を支援していきます。 地域の力を 子どもたちのために 子どもたちとともに 子どもたちへ 差別落書きは絶対許さない!  みんなの力でなくそうよ!! 「差別落書き」とは・・・  差別や偏見にもとづき、人の心を傷つけ、相手を侮辱する差別用語を用いた落書きを言います。駅のトイレや橋の欄干、電信柱などたくさんの人が利用し通行する場所で発生しています。 差別は人の命を奪うこともあり、絶対に許されない行為です。 差別落書きを発見したら・・・ 1消去せず、落書きを紙などで覆ってください。2速やかに、市町村役場または徳島県教育委員会 人権教育課(088-621-3152)までご連絡 ください。 差別落書きをなくすには・・・  すべての人が人権意識を高め、「差別落書きは絶対に許さない」という強い意志を持つことが大切です。そのためには、市町村などが開催している研修会や講座に積極的に参加し、人権問題について学びましょう。そして、自分の問題として人権尊重の重要さを理解し、差別落書きを許さないまちづくりをしましょう。 あわ(OUR)教育発表会を開催します  「未来にはばたく力をはぐくむ教育の実現」をテーマに、県内の幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校から2園・28校、教育機関から2機関が、それぞれの特色ある教育活動について、より身近に、そしてわかりやすく、ポスターセッション形式で発表をします。 どなたでもご覧いただけますので、お気軽にお越しください。 日時 平成24年1月5日(木) 午後1時から午後4時30分まで場所 徳島県教育会館(徳島市北田宮1丁目8番68号)発表テーマ  ・幼小中連携モデル ・確かな学力の育成 ・自主防災隊の活動  ・コミュニティスクール ・小学校外国語活動 ・キャリア教育  ・郷土を担う人材育成 ・震災被災地との交流支援活動   など お問合せ先徳島県教育委員会学校政策課学力向上推進室 電話:088-621-3136 徳島県奨学金事業に関するお知らせ 『奨学金の貸与月額の選択制の導入!』&《繰上償還で得するキャンペーン実施中!》  徳島県奨学金事業として、修学の機会を確保し、人材を育成することを目的として経済的理由により修学が困難な高校生及び高専生に貸し付けを行っています。 この奨学金は、高校等に在学中の生徒が継続して修学できるように金銭面で支えるものです。高校や大学を卒業した後には返還が始まり、この返還金が奨学金の財源として後進の奨学生に引き継がれていきます。返還期間は20年以内と長期にわたるものですので、計画性を持って適正に返還していただくことが重要であり、将来にわたり奨学金制度が安定的に実施されるように御協力をお願いします。 『奨学金の貸与月額の選択制の導入!』 -平成24年度新規貸与申請分から-  奨学生が返還額を考慮して、貸与額を選択できるよう、「貸与月額の選択制」を導入することにしました。 高校生等を対象とした平成24年度の徳島県奨学金貸与の申請は、平成24年4月に行う予定です。進学先・在学中の高等学校及び高等専門学校を通じて申請してください。 《繰上償還で得するキャンペーン実施中!》 -平成24年3月まで-  返還中の方を対象として、本県の奨学金事業に御理解いただき、かつ、一括繰上償還をしていただいた方に、県立施設(県立博物館など)の招待券を配布する「繰上償還で得するキャンペーン」を実施しています。お問合せ先 : 徳島県教育委員会学校政策課学校活力担当電話:088-621-3132 みんなで楽しめる行事一覧 開催月備考開催場所定員費用申込行事名称開催期間 12月 小学生対象・1/7, 1/21, 2/18も実施総合教育センター30◆あせび子ども邦楽教室17日(土) 12/25まで二十一世紀館文化の森総合公園写真展17日(土) 20上映映画「神様がくれたクリスマスツリー」他総合教育センター親子で楽しむ映画会18日(日) 資料代100円 1/8, 1/21, 1/29, 2/12, 2/19, 2/26も実施総合教育センター300オンリーワンとくしま学講座18日(日)☆◆ 1/8, 1/29も実施総合教育センター50子どもと放課後たのしみ隊講座18日(日)◆ 材料費100円(大学生・一般)博物館30室内実習「木の葉化石の発掘体験」18日(日)◆☆ 牟岐少年自然の家もうすぐお正月18日(日)餅つき大会や試食会、餅投げ、様々な屋台でスタッフと遊んじゃおう!☆ 博物館室内実習「藍の押花ではがきづくり」23日(金)200 ◆☆材料費一人1200円(はじめて参加する人は一人2000円)総合教育センター15組子育てファミリークッキング24日(土) 1月 3/18まで埋蔵文化財総合センター巡回展「第2回続・発掘へんろ-古墳時代の四国-」7日(土) 二十一世紀館250文化の森ニューイヤーコンサート9日(月) 図書館60まなびの森講演会第10回「森鴎外と脚気論争」14日(土)◆ 二十一世紀館50土曜映画会14日(土) 近代美術館こども鑑賞クラブ 所蔵作品展「一原有徳ワールドの探検」の巻14日(土)保護者は要観覧料☆ 博物館10◆室内実習「ミクロの世界-電子顕微鏡で小さな化石を見よう」15日(日) 上映映画「年神様とお正月」他総合教育センター20親子で楽しむ映画会15日(日) 1/22まで近代美術館フリースペースチャレンジとくしま芸術祭201217日(火) ☆◆1/22まで フライングデイスク、キックベースボールなどを家族同士で競い合い、交流を深めましょう!牟岐少年自然の家50名親子de冬スポ21日(土) 博物館◆20歴史体験「古代の乳製品をつくろう」22日(日) 図書館300◆絵本作家いせひでこ講演会22日(日) 4/22まで文書館企画展「資料から見る徳島県立保育専門学院の歴史」24日(火) ☆鳥居龍蔵記念博物館企画展「鳥居龍蔵の見た台湾」28日(土)3/11まで ☆材料費一人1200円(はじめて参加する人は一人2000円)総合教育センター子育てファミリークッキング28日(土)15組◆ 2月 ☆4/8まで近代美術館所蔵作品展「徳島のコレクション2012-Ⅰ」4日(土) ◆野外自然かんさつ「冬の植物と昆虫」5日(日)20博物館 上映映画「かぐや姫」他、2/19も開催(上映映画「バンビ」)20親子で楽しむ映画会5日(日)総合教育センター 埋蔵文化財総合センター続・発掘へんろ展関連考古学講座①「古墳時代の四国-地形と交流-」5日(日)100 4/1まで博物館部門展示「都卿鐸堂の書」7日(火)☆ ◆図書館60まなびの森講演会第11回「心身の健康と食生活-飽食から豊食へ-」18日(土) ◆高校生以上、材料費100円(大学生・一般)博物館歴史体験「トンボ玉をつくろう」19日(日)20☆ 続・発掘へんろ展関連考古学講座②「徳島の古墳」19日(日)100埋蔵文化財総合センター 15組◆材料費一人1200円(はじめて参加する人は一人2000円)☆子育てファミリークッキング25日(土)総合教育センター 材料費300円(大学生・一般)☆◆室内実習「アンモナイト標本をつくろう」博物館2026日(日) 毎月第2、4日曜13:30~14:00 [図書館]おはなし会毎月第2、4土曜 [総合教育センター]おはなし「あせびの会」・折り紙教室毎月第2木曜/10:30~10:50 [図書館]赤ちゃんと楽しむおはなし会●県立鳥居龍蔵記念博物館 TEL.088-668-2544●県立近代美術館 TEL.088-668-1088●県立文書館 TEL.088-668-3700●県立二十一世紀館 TEL.088-668-1111●県立牟岐少年自然の家 TEL.0884-72-2811●県立埋蔵文化財総合センター TEL.088-672-4545●県立総合教育センター TEL.088-672-5400●県立図書館 TEL.088-668-3500●県立博物館 TEL.088-668-3636お問い合わせ先 ●小学生・中学生・高校生のみなさんは、博物館・近代美術館、鳥居龍蔵記念博物館の観覧料が常設展・企画展とも土曜日、日曜日、祝日、春・夏・秋・冬休み期間中は無料です。祝日はどなたでも常設展が無料です。 公益通報制度 教職員の不正行為等を通報したい場合は、次の方法で御連絡ください。 通報者の秘密を含め個人情報は保護されます 封 書〒770-8570 徳島市万代町1丁目1番地「徳島県教育委員会コンプライアンス推進室(公益通報)」宛 (徳島県教育委員会ホームページからも通報できます。)compliancesuishinshitsu@mt.tokushima-ec.ed.jpメール ※市町村立小・中・高等学校の教職員に ついては、市町村教育委員会まで 御連絡ください。 お知らせ 「教育通信ふれあいひろば」の内容が県教育委員会のホームページでご覧になれます。また、テキストファイルもありますのでご利用ください。  URL→http://www.kyouikusoumu.tokushima-ec.ed.jp/iinshitu     E-mail→kyouikusoumuka@pref.tokushima.lg.jpこの広報誌について皆さまからのご感想をお寄せください。 飯泉知事と西池教育委員長の対談  平成23年8月4日、飯泉知事と新たに徳島県教育委員会委員長に就任した西池氏裕氏が対談を行い、これからの徳島の教育について、互いに思いを語りました。  司会は、佐古小学校で子どもたちへの絵本の読み聞かせ活動などを行っており、また徳島県文化財保護審議会委員を務めるなど、教育とはかかわりの深い、フリーアナウンサーの安倍久恵さんにご協力いただきました。 知 …飯泉知事  委 …西池教育委員長 司 …安倍久恵 氏(司会) 1 これからの徳島の教育について 司 この度、徳島県教育委員会の新しい委員長として、西池氏裕さんが就任されました。委員長としての抱負をお聞かせください。 委 本日は、ご多忙な知事さんに、このような貴重な機会を作っていただいたことに感謝申し上げたいと思います。   今、地方分権の時代を迎えて、地域に必要な教育は地域自ら考えていくことが求められています。各地域それぞれで、例えば、「香川ならでは」「高知ならでは」「愛媛ならでは」の教育があってしかるべきと思いますが、そうしたときに、「徳島ならでは」の教育というものが一体どういうものなのか、それを考えていくことが、私たち教育委員会の最大の責務だと思っています。そのときに、他県と比べても徳島の教育が輝いているような、そんな教育を展開したい。キャッチコピーとして、「みんながうらやむ徳島教育」を目指していきたいと考えています。 司 今の抱負をお聞きになって、知事としては、西池委員長にどのようなことを期待されますか。 知 近年、団塊の世代の大量退職にともなって、技術が十分受け継がれないままになっています。また、若者についても、「理科離れ」が指摘されるように、日本全体で技術の基盤が崩れようとしています。西池委員長は、エンジニアとして、まさに日本の「ものづくり」に情熱を注いでこられた方であり、是非子ども達に、「ものづくり」の大切さ、そして面白さを伝えていって欲しいと思います。   また、西池委員長は、俳人「西池冬扇」先生としての一面もお持ちです。日本全体が震災によって閉塞感に覆われる中、国民・県民の皆さんに勇気と希望を与えるものは何といっても文化の力です。本県でも、全国初となる国民文化祭の二度目の開催を来年に控えていますが、西池委員長には、教育はもちろんのこと、文化面を通しても、お力を存分に発揮していただきたいと思います。 2 三連動地震を見据えた学校防災について 司 3月11日の東日本大震災を契機に、本県でも学校防災について改めて見直しが行われていますが、西池委員長の考えをお聞かせください。 委 東日本大震災の経験を踏まえて、学校防災の在り方について、抜本的な見直しを急ピッチで行っていかなければならないと思っています。学校は地域のコミュニティの拠点であるとともに、避難所ともなる場所です。学校に地域の方々が避難されてこられたときにどうするのか、避難訓練をやるだけでも様々な現実的な課題がわかりますので、地域の方々のご協力もいただきながら、避難方法や避難経路等について再確認していかなければなりません。   また、先ほどのものづくりの話にも関係しますが、技術的に解決できる問題も色々あると思います。例えば、学校に誰もいないときに地震が起きた場合、学校に避難するにしても鍵をどうするかが問題になっています。こんなときにも、例えば地震を感知してロックを解除する装置とか、新しい技術を取り入れていくことも大切ですね。 司 学校の避難所としての機能強化、また安全な避難路の整備など、行政に求められることもたくさんあるようですが、知事の考えをお聞かせください。 知 やはり、子ども達の安全を確保するとともに、東日本大震災でも多くの学校が避難所となった現実を踏まえて、学校の耐震化を早急に進めることが必要です。小中学校の耐震化については、設置者である各市町村が行うことになりますが、国の補助だけでは足りないということで、徳島県として、独自の支援も行ってきました。その結果、徳島県は、小中学校の耐震化率を大きく伸ばしているところです。また、県立学校についても耐震化を進めており、平成27年度までには全校の耐震化を完了する予定ですが、県立学校を各地域における中核的な避難所としていくため、例えば、断水時でも活用できる「ろ過装置付き雨水タンク」や、非常時でも確実に連絡の取れる「衛星携帯電話」の配備など、効果を検証しながら整備を進めていきたいと考えています。  また、東日本大震災でも甚大な被害が生じた津波への対策については、県民の皆さんも、特にご心配されているところだと思います。西池委員長のお話にもありましたが、裏山への避難路が必要なわけですが、県南部では急傾斜地も多く、高齢者や妊婦さん、あるいは小さいお子さん連れの方々にとっては、避難する上で大きなハードルになっています。   このような中、徳島県では震災以前である平成17年から国に対して、急傾斜地の崩壊対策施設を避難場所として活用できるよう政策提言を行い、国の補助事業に加えてもらうことができました。その後、美波町において施設の整備を進め、昨年度、完成したところです。   また、裏山等への避難がどうしても困難な地域もありますので、そうした地域に対しては、市町村による「津波避難タワー」の設置を後押ししていきます。   こうしたハード面での取組に加えて、同様に大切なことは、防災の担い手となる「防災人材」をどのように育成していくか、ということです。学校の多くが避難所となるわけですが、各学校を一番よく知っているのは、実際にそこに通っている生徒たちなんですね。生徒たちには、単に災害弱者としてではなくて、避難所である学校施設を熟知した防災人材としての活躍を期待しています。今、徳島県では小・中・高校生はもちろん、高齢者の皆さんも含んだ「防災生涯学習」という概念を打ち出し、生涯にわたって防災を学び続けることができるような環境作りに取り組んでいますが、学校における防災教育については、この「防災生涯学習」の中核となっていただきたいと思います。 司 徳島県内でも、3月11日の際には、津波からの避難の在り方や、子ども達の保護者への安全な引き渡しなどについて課題があったと聞いています。 委 それぞれの地域の事情があると思いますので、例えば子ども達の保護者への引き渡しについても、学校が一番安全な高台にあるという地域では、学校に残るべきだし、一律に決めるのではなく、地域の事情を踏まえて個別に検討していただく必要があると思います。   ただ、何にしても大切なことは、情報伝達のあり方です。学校と家庭との間で、どのような方法で情報伝達を行うのか、普段から相互理解を図っておいてもらうようにする必要があります。 3 子どもの体力向上について  司 続いて、子どもの体力向上についてお伺いします。教育の目標として「知・徳・体」の育成が言われていますが、残念ながら本県の子ども達の体力は全国でも最下位クラスになっています。その原因について、どう分析されますか。 委 なぜ徳島の結果が悪いのかについては、様々な見方があり、一概には言えないと思いますが、やはり幼少期からの生活習慣の問題は大きいと思います。例えば、他の地域と比べてどうなのか等、比較研究してみる必要があると考えています。昨年度から県教育委員会では小学校の5、6年生全員に歩数計を配布し、四国八十八ヵ所めぐりに見立てて、お互いに競い合うような形で使ってもらっています。こうした取組はまさに生活習慣の改善に直結するわけで、今後どういった成果が出てくるのか期待しています。 司 子どもの体力について、知事はいかがお考えでしょうか。 知 今、西池委員長もおっしゃったように、昔は都会の子どもよりも地方の子どもの方がたくましいというのが定説でしたが、最近はむしろ逆で、都会の子どもの方が、例えば地下鉄に乗るだけでも、かなり長い階段を上り下りする必要があるなど、非常にたくさん歩くようになっています。一方で、地方の子どもは雨の日の登下校や塾通いなどでも、保護者が車で送迎してあげているような車社会ですので、公共交通機関の状況は、子ども達の歩く距離、ひいては体力に大きく影響していると思います。   子ども達にはどんどん体を動かしてもらいたいわけですが、とは言っても、ただ体を動かしなさいといっても面白くありませんので、やはりスポーツなどを通じて楽しく体力をつけていくことが大切ですね。例えば、地域スポーツクラブであるとか、地域ごとの野球やサッカーなどのチームであるとか、こうしたところに県として積極的に支援していこうと考えており、「スポーツ王国とくしま推進基金」として毎年3千万円ずつ積み立てています。この基金を活用した事業のひとつとして「子どもの体力向上」というメニューも設け、教育委員会の色々な取組や事業を応援していこうと考えています。教育関係の皆さんはもちろん、地域を挙げて、こんな事業をやったら効果的ではないか、というようなご提案がありましたら、是非お寄せいただいて、効果的なものについては、徳島全域に広げていきたいと思っています。 委 楽しんで体を動かすということは、とても大切なことですね。ただ、中には楽しんで参加できない子ども達もいて、結果的に体力についても二極化していく可能性もあります。みんなで様々なスポーツに参加できるようにしていくことも大切で、例えば、夜中に山登りをする行事を行っている学校もありますが、当日までに普段からトレーニングをして、そしてクラス全員が助け合って行うということは本当に素晴らしいことです。そんな行事を増やしていけたらよいと思います。 4 国際的に活躍できる人材の育成について 司 国際的に活躍できる人材の育成として、具体的には英語教育に力を入れて欲しいという保護者の希望が強いようですが、いかがお考えでしょうか。 委 英語教育に対するご希望は本当に強いですね。私たち教育委員会としては、単に英語が話せるようにしたい、ということ以上に、将来、お子さん達が英語を活用したり、あるいは少なくとも英語で苦労することなく、少しでも豊かで幸せな生活を送っていけるようにしたい、という思いがあるのだと理解しています。   実際、県内の企業で働くにしても、たくさんの外国の方と接する機会がありますので、外国語をきちんと身につけていくことは非常に大切です。また、何よりも、語学はコミュニケーションの手段であると同時に、それ以上に、ものごとを考える能力そのものですから、当然ですが、日本語をきちんと身につけること、そして、英語などの外国語の学習を通して、幅広く豊かな言語力を身につけていく必要があります。 司 徳島県でも、友好交流関係にあるドイツのニーダーザクセン州に教員を派遣していますし、また中国の湖南省と交流を深めるなど、国際交流を進めていますね。 知 徳島県では、平成19年にドイツのニーダーザクセン州と友好提携を締結しました。当時ヴルフ首相、今は大統領になられていますが、彼から相談を受けて、そのときに、友好提携の基軸のひとつを教育とすることに決めたところです。ドイツとの交流といっても、どうしても英語を介しての理解ということになってしまいますが、やはり、それでは足りない。ヴルフ首相からは、ドイツで日本語を聞く機会を作って欲しいという要請がありましたので、国の制度を活用して、城東高校の逢坂先生に行っていただいたところ、大変活躍していただきました。ニーダーザクセン州において、日本あるいは徳島の文化や伝統についての理解を大変深めることができましたし、またドイツで得た経験を生徒さんにフィードバックして欲しいと思っています。今年の8月からは、新たな先生に行っていただき、こうした言葉を介しての人と人との交流をさらに広げていければと思っています。 5 徳島の産業を担う人材の育成について 司 西池委員長は工学博士であり、また県の経済成長戦略アドバイザーとして、経済事情にもお詳しいと聞いています。農業や商業、工業をはじめとして、コンテンツ産業など新しい分野を含めて、これからの本県の産業の担い手の育成について、考えをお伺いしたいと思います。 委 教育を通じて、世界に通用する人材、また同時に、地域の産業を支えていく人材を育てていく必要があります。特に後者については、どのようなイメージか難しい面もありますが、農業であるとか、あるいはLEDの製造であるとか、そういった産業に必要な能力がどういったものなのか、改めて考えてみる必要があると思います。教育の基本的な部分は、既にある程度確立しているでしょうが、徳島の産業の実態に応じて、将来の担い手を育てていくという意味での教育体制はまだまだ改善の余地があると思っています。 司 学校と企業が連携しているケースもよく耳にします。 知 子どもさん達も、いきなり就職活動しなさい、社会人として働きなさい、と言われても、なかなかすぐには入っていけないんですね。中学や高校のうちから、自然にものづくりに親しんだり、お金を稼ぐことの苦労を知る。そういった視点が必要で、インターンシップなどの形で企業に出かけていって、働くということを体感してもらっています。また、徳島商業高校の「徳商デパート」や小松島西高校の「雪花菜工房」のように、自らが会社を作って商売をしてみる。こういった経験を積む中で、まさに実学を学ぶことができるわけです。   今、全国的にニートが社会問題になっていますが、教育の段階でつまずきが生じてしまっているわけです。そうならないように、働く姿を意識しながら、小学校、中学校、高校の段階で、それぞれ何が必要なのか。大学に進学するのであれば、何が必要なのか、そうしたことをしっかり考え、産・学・官の連携でしっかりバックアップしていきたいと思います。 委 実際の社会について学ぶことは、非常に面白いことですね。単に机の上で学ぶだけでなく、働くことの厳しさと喜びを体感してもらうこと、これは非常に重要だと思います。 6 最後に 司 最後に、一言ずつお願いいたします。 委 皆さんが、少しでも徳島に残っていたい、あるいは県外からも徳島に来たい、と思ってもらえるような教育にしていきたいです。一つでも光る教育をやること、そして、それを県内に広げていくこと。それを考えていきたいと思います。 知 今、なかなか子どもさん達が夢を持てない時代だと言われています。しかし、それでは徳島が、また日本の将来が成り立たないわけです。子どもさん達がしっかりと夢と希望を持って、しかもその実現に向けて努力する場、そしてその機会を作ってあげる。そうした体制づくりこそが、今求められているのではないでしょうか。特に、就職の門戸も厳しい中で、若い世代の皆さんにとっては辛い状況かも知れませんが、一方で、若い世代の皆さんには時間という武器があります。その時間を駆使して、自分たちが思い描いた夢をしっかり実現するんだ、また実現できるんだという、そうした成功体験ができる、そんな徳島県を作り上げていきたいと思います。 徳島商業高校による女川第二小学校交流支援の取組 1 活動概要 本校では、東日本大震災後、徳島県教育委員会が開校支援を行った学校の一つである宮城県女川町の女川第二小学校に対して、「まけまけいっぱい笑顔の架け橋~まげねっちゃ女川 さざなみ太鼓の復活を目指して~」と題した交流支援活動を行っています。これは、商業での学びを生かした商業高校だからこそできる支援活動を行うことで、小学校の子どもたちが伝承する女川町の伝統芸能「さざなみ太鼓」の復興を目指すととともに、小中学校の教育環境を整え、子どもたちのやる気と町の活力を取り戻すことを目的とした活動です。 女川第二小学校を訪問しての交流支援活動 2 活動内容 徳島商業高校が行っている交流支援活動は、主に次の4つの活動です。 ①「さざなみ太鼓」復活支援活動 これは単に金品を送るという支援ではなく、女川第二小学校の子どもたちが考えたデザインをTシャツとして商品化したり、保護者の方にストラップなどの商品を作ってもらったりして、その収益を、さざなみ太鼓のユニフォームであるTシャツや失った太鼓の購入修復費用、学用品などの購入費用の一部に充てようとする活動です。できるかぎり被災地のみなさんの参加をいただきながらともに活動をしています。11月5日には新町川ボードウォークでチャリティーパラソルショップを展開しました。被災当初、段ボールでの太鼓練習を余儀なくされていた第二小学校では、これまでのさまざまな支援により、太鼓の復活も見え始めてきたとのことです。②被災地を訪問しての現地交流活動 本校と小松島西高校を中心とする高校生、NPO法人TOKUSHIMA雪花菜工房など総勢55名が8月17日、18日に現地を訪問し交流活動を行いました。さざなみ太鼓の演奏と阿波踊りの交流、キャラクターの考案やアクセサリー作り、ロケット作りなどの工作や市場見学など様々なプログラムを行いました。ここで企画された商品やキャラクターは、被災地の小学生たちのやる気や希望を見いだすきっかけになったと考えます。完成した商品は、本校主催のチャリティーパラソルショップで販売しました。子どもたちから、「もっと長くいてほしい。」「また来てください。楽しかった。」など多くのメッセージをもらい、ひとときでも子どもたちの心を暖めることができたことをうれしく思いました。 さざなみ太鼓の演奏 女川第二小学校児童とのアクセサリー作り ③テレビ会議システムによる face to face 交流活動 8月1日に、協力をしていただいている仙台IBMとテレビ会議システムのテストを行い、さらに8月3日には女川第二小学校とこのシステムを利用した第1回テレビ会議を行いました。双方の現状報告や現地交流活動の打ち合わせでしたが、回線状態も良く、順調な状況であることが確認できました。10月からは本格的な運用を始め、子どもたちと高校生がお互いの顔を見ながらの交流活動を行っています。 ④現地の子どもの写真を復旧提供する活動 流失してしまった写真の代わりとして、学校が保存している写真がほしいという保護者たちの希望を叶えるため、子どもたちの写真をミニアルバムにし提供するための活動をしています。8月の訪問中に、平成18年度から22年度までの写真整理が完了しました。今年度中には、生徒たちの手で印刷・製本し、各家庭に届ける予定です。 3 私たちの思い(まとめ) 私たちが訪問した宮城県牡鹿郡女川町は20mを超える津波に見舞われ、現在でも津波の恐怖、肉親を亡くした悲しみ、生活の不自由さなど、多くの不幸が人々を包み、厳しい状態にあります。今回被災地を訪問し交流する中で、私たちは人々の心の強さ、絆、優しさを感じることができました。皆さんは10年後の日本がどうなっていると思いますか。震災を目の当たりにしていない私たちには、被災地の人たちの気持ちを共感することは到底難しいことですが、商業高校だからこそできる支援、連携がたくさんあるのではないかと思います。私たちは、今回の活動を短期間のもので終わらせず、息の長い活動にしていく予定です。私たちの活動を多くの人に知っていただくことで、支援の輪を広げ、一人でも多くの被災地の子どもたちに笑顔を届けることができればと願っています。 あらたな取組地域の方々による取組学校サポーターズクラブ認証 小学校区または中学校区において、学校の支援・応援を行っている自治会、婦人会、青年団、老人クラブ、ボランティアグループなどの地域の団体のまとまり、連携を「学校サポーターズクラブ」(学校の応援団)として、県教育委員会が認証します。 学校サポーターズクラブとして認証したクラブにサポーターズフラッグ(のぼり旗)を提供するとともに、学校支援活動に関する情報提供を通して活動を支援していきます。地域教育支援活動奨励表彰 地域や保護者の方々が学校運営や学校教育活動の支援に参画する学校運営づくり。県内において、コミュニティ・スクールモデル校11校。 県内各地域において、地域全体で子どもの教育に取り組む気運のさらなる醸成を図るために、学校や家庭及び地域における教育への支援・協力などの活動を行う地域の方々の中で、おおむね3年以上その活動に取り組み、今後の活躍が期待される個人や団体に対して、県教育委員会が奨励表彰をします。 第1回目の今年度は25団体・個人の方が表彰を受けられました。 学校と地域の連絡調整を行うコーディネーターを中心とした、地域の方々による学校支援ボランティアの組織づくり(「地域住民による学校の応援団」)。県内で13本部開設。 放課後・休日において、学習、スポーツ、文化活動や地域の方々との交流活動を行うことのできる安全・安心な子どもの活動拠点づくり。県内で51教室開設。 子どもたちの生涯を通じた「学び」や成長をはぐくむ場は、学校や家庭、地域の中にあります。学校・家庭・地域の連携・協力の仕組みを構築するとともに、学校・家庭・地域がそれぞれに求められる役割を十分に果たすことが重要です。 このため、県教育委員会では、地域の方々の参画を得て、放課後・休日等において子どもたちが地域の中で、安全に安心して様々な体験・交流活動や学習活動を行う場づくりを推進するとともに、地域の人材や教育力を積極的に活用し、地域全体で学校教育を支援する体制づくりを進めています。~地域とともにあゆむ教育を目指して~子どもたちとともに    あゆむ地域づくり学校支援地域本部コミュニティ・スクール放課後子ども教室 あらたな取組地域の方々による取組学校サポーターズクラブ認証 小学校区または中学校区において、学校の支援・応援を行っている自治会、婦人会、青年団、老人クラブ、ボランティアグループなどの地域の団体のまとまり、連携を「学校サポーターズクラブ」(学校の応援団)として、県教育委員会が認証します。 学校サポーターズクラブとして認証したクラブにサポーターズフラッグ(のぼり旗)を提供するとともに、学校支援活動に関する情報提供を通して活動を支援していきます。地域教育支援活動奨励表彰 地域や保護者の方々が学校運営や学校教育活動の支援に参画する学校運営づくり。県内において、コミュニティ・スクールモデル校11校。 県内各地域において、地域全体で子どもの教育に取り組む気運のさらなる醸成を図るために、学校や家庭及び地域における教育への支援・協力などの活動を行う地域の方々の中で、おおむね3年以上その活動に取り組み、今後の活躍が期待される個人や団体に対して、県教育委員会が奨励表彰をします。 第1回目の今年度は25団体・個人の方が表彰を受けられました。 学校と地域の連絡調整を行うコーディネーターを中心とした、地域の方々による学校支援ボランティアの組織づくり(「地域住民による学校の応援団」)。県内で13本部開設。 放課後・休日において、学習、スポーツ、文化活動や地域の方々との交流活動を行うことのできる安全・安心な子どもの活動拠点づくり。県内で51教室開設。 子どもたちの生涯を通じた「学び」や成長をはぐくむ場は、学校や家庭、地域の中にあります。学校・家庭・地域の連携・協力の仕組みを構築するとともに、学校・家庭・地域がそれぞれに求められる役割を十分に果たすことが重要です。 このため、県教育委員会では、地域の方々の参画を得て、放課後・休日等において子どもたちが地域の中で、安全に安心して様々な体験・交流活動や学習活動を行う場づくりを推進するとともに、地域の人材や教育力を積極的に活用し、地域全体で学校教育を支援する体制づくりを進めています。~地域とともにあゆむ教育を目指して~子どもたちとともに    あゆむ地域づくり学校支援地域本部コミュニティ・スクール放課後子ども教室